イゴール・アンゾフが提唱したアンゾフ・マトリクスは、戦略の方向性を整理するのに使用するフレームワークです。左図に示したように、一般的に市場浸透がこれ以上は難しい、という状況下で、新商品を開発するのか、市場を開拓するのかという議論をする際用います。いきなり多角化の方向に向かうのは、非常にリスキーであり、2段階のステップを経て多角化を検討しますが、昨今のM&A戦略の台頭により、いきなり、多角化を実施することも可能になりました。いわゆるコングロマリットと呼ばれる企業体です。
また、左図はD.Aアーカーが『戦略市場経営』で提唱したマトリクスで、アンゾフの考案したものに、ビジネスシステムの変更(例えば技術力向上によって安価に製品が作れるようになった、新たな流通経路を確保・開発したなど)により実現される成長方向の概念が付け加えられました。これにより、『どこで』『何を』提供するかに加えて、『どのように』を同時に考慮することができます。