| はじめに |
第1章 | なぜ太っている人は借金をするのか? |
| ―自滅する選択のなぞ |
| 自滅する選択とは何か |
| 損をする選択 |
| 太っている人ほど強い負債傾向―相関する自滅選択 |
| 現在と将来を天秤にかける |
| 現在か将来か?―時間を通じた選択 |
| 現在指向性がポイント―時間割引率で考える |
| 銀行員の割引では割り切れない現実 |
| 双曲割引―目先にとらわれてブレる |
| 動物のように目先にとらわれる |
| 自滅的な後回しや先送り |
| 自制の問題―天使と悪魔の葛藤 |
| 「賢い」人とそうでない人 |
| 将来の緩い自分を縛る |
| ダメな自分を縛りつけておく |
| 資産を使えないように凍結する |
| 自滅を避ける |
| 自分を知る―自己シグナリング |
| 選択を改善する方法 |
| 行動経済学的政策のすすめ―座りそうなところに座るべきイスを入れる |
| コラムA サルは「朝四暮三」? |
| コラムB 時間割引率を測る |
第2章 | せっかちさは変わる |
| ―時間割引の行動経済学 |
| 異時点間選択のアノマリー |
| 少額なほど割り引かれる |
| マグニチュード効果 |
| 高まる比例感応度 |
| 待つための心理的固定費用 |
| 心理的会計 |
| 利益は損失より割り引かれる |
| 符号効果 |
| 限界効用の逓減 |
| 損失バイアス |
| 符号効果と「借入回避」行動 |
| 遅れる損と早まる得 |
| フレーミング効果 |
| 合計が小さくても少しずつ改善する方を選ぶ |
| 満足の系列を選ぶ |
| 少ない方の生涯賃金を選ぶ? |
| 年功賃金のなぞ |
| 改善そのものが満足をもたらす |
| 味わいと習慣 |
| 連なりという文脈 |
| まとめ |
第3章 | 不本意な選択のメカニズム |
| ―双曲割引 |
| 自滅をもたらすアノマリー |
| 間近になるとせっかちに |
| 間近の選択と遠い先の選択 |
| 指数割引と双曲割引 |
| マッチング法則 |
| 矛盾する選択 |
| 明日を割り引く一方で10年後も考える二重性格 |
| 矛盾する選択、破られる計画 |
| 長期的利益の後回し、短期的利益の前倒し |
| 過剰な消費と過少な蓄積 |
| 双曲割引のメカニズム |
| 今日の1日は長い―心理時間の歪み |
| 「いま」という真っ白な紙が汚れる―不確実性による汚染 |
| 脳にすむアリとキリギリス?―双曲割引の脳内メカニズム |
| まとめ |
第4章 | 分裂する自己の自制問題 |
| ―先延ばし・前倒し・コミットメント |
| 分裂する自己の問題 |
| 自制問題 |
| 将来の自分を正しく悲観する人と誤って楽観する人 |
| いつそうじをするか?―将来の行動を織り込んで弱まる後回し |
| 過度に禁欲的な選択―後回しを嫌って早くしすぎるリスク |
| いつ映画を見るか?―将来の行動を織り込んで強まる前倒し |
| 過度の禁欲と無節制 |
| グランプリ映画を見るために我慢する「賢明」な選択 |
| 「賢明」な選択による過度の禁欲と無節制 |
| 将来の緩い自分を織り込むことで貯蓄は増えるのか減るのか? |
| 「より大きな仕事を」という落とし穴 |
| 「どの仕事をするか」と「いつするか」 |
| 「より大きな仕事を」が引き起こす停滞 |
| 自縄自縛の利益 |
| コミットメント |
| コミットメント手段としての非流動資産と教育 |
| 「金の卵」の理論 |
| 金の卵を産むガチョウ |
| 所得‐消費サイクル―恒常所得仮説は成立しない |
| 所得からの消費性向の方が資産からの消費性向より大きい |
| 「負債パズル」―資産を持っているのにクレジットカード負債がある |
| リカード中立命題が成立しない |
| 金融革新の功罪―伸縮性かコミットメントの利益か |
| 単純なのか賢明なのか? |
| 部分的に「単純」 |
| 締め切りを刻むと効率が上がる―アリエリーとワーテンブロチのフィールド実験 |
| 試験勉強をいつ始めるか |
| まとめ |
| コラムC 津島家のコミットメント |
第5章 | 借金・肥満・ギャンブルに見る自滅選択 |
| わかっていても入れば使う―ナイーブな消費サイクル |
| 小遣いサイクル |
| 食料券栄養サイクル |
| 年金‐消費サイクル |
| 双曲割引と負債行動 |
| クレジットカードによる借入れ |
| 勧誘金利に惑わされてかえって高い金利を払う |
| 欧米型消費者金融ペイデー・ローンをめぐる自滅行動 |
| 双曲割引と借金―わが国の場合 |
| 双曲割引と多重債務 |
| 符号効果による借入回避 |
| 肥満とやせ |
| 体型を選択する |
| 貯めずに借りる肥満者 |
| 肥満という自滅 |
| やせという選択 |
| ギャンブル・タバコ・酒 |
| まとめ |
| コラムD 肥満基準―日本とWHO |
| コラムE 「スーパーサイズ・ミー」―欧米の肥満事情 |
| コラムF 体重を軽めに言う―自己申告バイアスと双曲割引 |
第6章 | 自制する知恵と手立て |
| 自滅する選択を避ける手立て |
| 将来の緩い自分を織り込む |
| ブレてみてわかる自制問題と意志力 |
| 枯渇する意志力に対応するための2つの方法 |
| 2種類のコミットメント手段 |
| ソフトなコミットメント手段 |
| マイ・ルールを作る |
| 計画期間を短く刻む |
| 敵が弱いうちに兵力を集中させる |
| 選択の限界 |
| 選択を許す介入 |
| 自由な選択を許して介入する |
| 手品師の介入―デフォルトを変えて、よい選択を誘導する |
| 双曲割引を利用してよい選択を誘導する |
| 将来の貯蓄にコミットさせる |
| 逆転の発想―非対称パターナリズム |
| 実践に向けて |
| 政策を考える |
| 喫煙への介入 |
| 肥満の改善 |
| 消費者信用市場への介入 |
| 問題と課題 |
| まとめ |
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| むすびに代えて |
| 参考文献 |
| 索引 |