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良い戦略、悪い戦略

良い戦略、悪い戦略
良い戦略、悪い戦略
著者:リチャード・P・ルメルト
出版社:日本経済新聞出版社
出版日:2012/6/23

Amazon商品の説明より

『良い戦略、悪い戦略』

「戦略の大家」が、ものすごくわかりやすい戦略の本を書きました!

■良い戦略は単純明快だ!
1805年、イギリスは、重大な危機に直面していた。ナポレオンがヨーロッパの大半を征服し、イギリス侵攻をもくろんでいたのだ。フランスとスペインは、ジブラルタル海峡に程近いトラファルガー岬に33隻の艦船を結集。27隻で編成されたイギリス海軍と対峙した。
さて、通常の海戦であれば、両軍が向かい合い、艦砲射撃で敵艦にダメージを与えた後に接近戦に移行するのが定石である。だが、ネルソン提督の考えた戦略はちがった。2列縦隊をつくり、仏西連合艦隊にいきなり真横から突っ込ませた。
当然、先頭の船は非常な危険にさらされる。だが、連合艦隊の砲手は練度が低く、その日の海はうねりが大きかった。敵艦隊には真横から突入する我々を正確に狙い打つ腕はない、と読んだのだ。
結果、トラファルガーの海戦は、イギリス側の圧倒的勝利に終わった。イギリス海軍は、艦船を一隻も失わなかった。

■あなたの「戦略」は、その名にふさわしいか?
このように、良い戦略は、単純かつ明快である。パワーポイントを使った説明も、マトリクスやチャートも無用。必要なのは、打つ手の効果が一気に高まるポイントを見きわめ、そこに狙いを絞って資源と行動を集中させることだ。
ネルソン提督の課題は、敵の艦隊のほうが数で上回っていたことだった。そこで、敵の艦隊を分断するため、先頭の船を死地に飛び込ませるリスクをとるという選択をした。敵が分断され統率を失えば、経験豊富なイギリスのほうが優勢だと判断していた。
このように良い戦略は、組織が前に進むにはどうしたらよいかを明確に示す。難局から目をそらさず、それを乗り越えるための指針が示されている。「いま何をすべきか」がはっきりと実現可能な形で示されていない戦略は、欠陥品だ。

■世界的な戦略の研究者による第一級の著作!
だが世の中の「戦略」のほとんどは、戦略の体を為していない。本書の目的は、「良い戦略」と「悪い戦略」の驚くべきちがいを示し、「良い戦略」を立てる手助けをすることにある。著者ルメルトは世界的な経営学の研究者を表彰するThinkers50に選ばれた人物であり、長年にわたって戦略を研究してきた第一人者。本書は超一流の著者による「経営戦略」の書だ!

■本書に寄せられた賛辞
「必読書! 戦略に興味があるすべての人に本書を強力に推薦したい」
――W・チャン・キム(『ブルー・オーシャン戦略』著者)

「あなたの会社がライバルたちを圧倒する業績を上げる準備ができていて、未来へ先んじる用意があるなら、本書を買わなくていい。もしもその逆なら、もしも少しでも不安が残るなら、いますぐに本書を開いたほうがいい! 」
――ゲイリー・ハメル(『コア・コンピタンス経営』著者)


目次

序章手強い敵
第1部良い戦略、悪い戦略
第1章良い戦略は驚きである
アップル
「砂漠の嵐」
第2章強みを発見する
ダビデとゴリアテ
ウォルマート
アメリカの国防計画
第3章悪い戦略の四つの特徴
悪い戦略の見本―アメリカの国家安全保障戦略
悪い戦略の特徴1 空疎である
悪い戦略の特徴2 重大な問題に取り組まない
悪い戦略の特徴3 目標を戦略ととりちがえている
悪い戦略の特徴4 まちがった戦略目標を掲げる
第4章悪い戦略がはびこるのはなぜか
困難な選択を避ける
穴埋め式チャートで戦略をこしらえる
成功すると考えたら成功する
第5章良い戦略の基本構造
1 診断
2 基本方針
3 行動
第2部良い戦略に活かされる強みの源泉
第6章テコ入れ効果
的確な予測でテコ入れ効果を引き出す
テコの支点を選ぶ
集中によってテコ入れ効果を得る
第7章近い目標
曖昧さをなくす
足場を固め選択肢を増やす
目標設定には階層がある
第8章鎖構造
鎖構造の問題点
鎖構造問題の解決
鎖構造を強みにする
第9章設計
戦略の父ハンニバル
再考の組み合わせを探す
戦略的リソース
バッカーの戦略
第10章フォーカス
第11章成長路線の罠と健全な成長
第12章優位性
ゴリラとのレスリング
ビジネスにおける競争優位
「おもしろみ」のある競争優位
価値の創造
第13章ダイナミクス
うねりの気配を感じとる
変化の原動力をみきわめる
うねりに乗ったシスコ・システムズ
うねりを察知するためのヒント
第14章慣性とエントロピー
慣性
エントロピー
第15章すべての強みをまとめる―NVIDIAの戦略
3Dグラフィックス技術の発展
ゲーマーの願望
エヌビディアの戦略
ライバルの脱落
今後の展望
第3部ストラテジストの思考法
第16章戦略と科学的仮説
戦略とは仮説である
啓蒙思想と科学
アノマリー
エスプレッソのアノマリー
コーヒー文化のちがい
仮説の検証
独自情報の価値
第17章戦略思考のテクニック
リストを作成する
第一感を疑う
戦略思考のテクニック
判断力を鍛える
第18章自らの判断を貫く
グローバル・クロッシング―市場の過信
世界金融危機―群れる心理と内部者の視点
 
謝辞
訳者あとがき
原註

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