京都花街の経営学
京都花街の経営学
著者:西尾 久美子
出版社:東洋経済新報社
出版日:2007/09
Amazon商品の説明より
『京都花街の経営学』
気鋭の経営学者が五年におよぶフィールドワークを実施。京都花街という「ビジネス」の秘密をあざやかに解き明かす。
出版社からのコメント
350年以上の歴史をもち、いまだに人々を惹きつける京都花街----。なぜ350年も続き、なぜいまだに人々を惹きつけ続けるのか?
そんな疑問をもとに、気鋭の経営学者が5年におよぶフィールドワークを敢行、その成果が本書に結実しました。
本書が他の京都花街に関する書籍と一線を画しているのは、著者が「経営学者」である点です。「舞妓はんはかわいいなぁ」「芸妓はんはきれいやなぁ」という感嘆に終わることなく、京都花街を350年以上続く「ビジネス」としてとらえ、その強さの秘密を分析しています。350年間も続き、今なお多くの人を惹きつけ、その売上規模を拡大させている経営の秘訣は、現代の日本企業の経営にも多くの示唆を与えてくれるはずです。
そういった経営学的分析がある一方、他ではあまり知られていない「京都花街・豆知識」も充実しています。舞妓さんの修業内容と日常生活、花街のIT化、「旦那さん」になれる条件、舞妓さんと芸妓さんの見分け方、舞妓さんに会える場所などなど......本書を読めば、京都花街通になれることも請け合いです。
目次
| はじめに |
第1章 | 京都花街とは―業界の特徴と規模 |
| そもそものはじまり |
| 五花街 |
| 五花街の特徴 |
| 芸舞妓さんの人数 |
| 花街の経済規模 |
| よそさんの花街の様子 |
| 京都花街の特色とは |
第2章 | 芸舞妓さんとのお茶屋と置屋―高度技能専門職の女性たち |
| 舞妓さん |
| 芸妓さん |
| お茶屋 |
| 置屋 |
| 疑似家族関係 |
| コラム◎旦那さん |
第3章 | 一見さんお断り―三五〇年続く会員制ビジネス |
| 一見さんお断り |
| お茶屋遊びは信頼の証 |
| 宿坊 |
| よそのお座敷 |
| どうしたらお座敷にあがれるのか |
| お座敷のルール |
| 新人のお客 |
| 大人磨きの社交の場 |
第4章 | 舞妓さんの一生―徹底したOJTによるキャリア形成 |
| 芸舞妓さんのキャリア・パス |
| 芸舞妓さんの一生、キャリアの流れ |
| キャリアの節目 |
| 見て・聞いて・教えてもらって、また見て・聞いて |
| 舞妓さんのアイデンティティ |
| 誇りと慣れ |
| お客とご飯食べ |
| わかってくれる存在 |
| コラム◎「舞妓はん」に変身! |
第5章 | お財布はいりまへん―分業制度と取引システム |
| 長期の掛け払い |
| お客とお茶屋の関係 |
| 究極のくつろぎと合理性 |
| 短期の支払い |
| お茶屋の目利き |
| 芸舞妓さんの営業 |
| よそさんの妓へのしつけ |
| 花街共同体と分業制度 |
| 自分の技量の見極め |
第6章 | 花街の評価システム―成果主義と三六〇度評価 |
| 新年の始業式 |
| 成績発表―成果主義にもとづく売上ランキングの公表 |
| 成績のつけ方 |
| 評価情報の分析と共有 |
| 座持ち |
| ある日のお座敷 |
| 状況判断能力 |
| 座持ちの育成 |
| 舞妓さんらしさ |
| 「ええべべ」を着せる |
| 「らしさ」の維持 |
| おきばりやす |
| コラム◎ミッキーとキティと舞妓はん |
第7章 | 女紅場―働きながら学ぶしくみ |
| 女紅場 |
| 開講科目 |
| ライバルを、先輩を、後輩を見る |
| 花街の学校のメリット |
| 学びのサイクル |
| 踊りの会 |
| プロとして磨かれる |
| 役割の自覚 |
| かしこい妓とは |
| コラム◎興行の事業システム―都をどり・宝塚歌劇・吉本興業 |
第8章 | 京都花街の経営学―超長期競争優位性の事業システム |
| もてなしの需要と供給 |
| 新規需要への柔軟な対応 |
| 地域限定の課金システム |
| 設備投資重視 |
| お茶屋は情報重視のソフト型産業 |
| 事業部門の戦略的選択 |
| お茶屋と置屋の兼業化 |
| 一人置屋 |
| 育成制度と取引 |
| 意思決定の秘密 |
| 意思決定の主体 |
| ダイナミズム |
| 変化への対応 |
| 制度の利用 |
| 制度的叡知 |
| |
| おわりに |
| 参考文献 |
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