IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
著者:冨山和彦/経営共創基盤
出版社:PHP研究所
出版日:2012/2/17
Amazon商品の説明より
『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』
経営分析、財務分析の本は山ほどある。ただ、「机上の空論」で終わるものも少なくない。「数字のウラ側を読み解く技術」を身につけられる本書は、それらとは一線を画す。
会社が生きるか死ぬかの修羅場で真剣勝負し、成功を収めてきた企業再生のプロフェッショナル・冨山和彦氏。氏が率いる会社・経営共創基盤(IGPI)のコンサルタントとともに、独自の「実践テクニック37」を初公開!
メーカー、小売・卸、通信、飲食ビジネスなど、具体的なエピソードが満載で、物語を読むような感覚で理解できる。
勤めている会社は大丈夫か、取引先は……。日々、状況把握を求められ、「診断ミス」が許されない営業のリーダーに、必ず役立つ一冊。
目次
| はじめに あなたは本当の経営分析ができますか? |
第1章 | リアルな経営分析とは何か? |
1 | リアル経営分析は企業の健康診断(精密検査) |
| 何をもってAさんを健康と言えるのか |
| 潜在的な病理と顕在化している病理 |
2 | リアル経営分析はテーラーメイド |
| 同じミカンでもいろいろ種類がある |
| 平均値を見るだけでは、何もわからない |
3 | そもそもどんな事業を分析しようとしているのか? |
| 化粧品メーカーの4つの事業モデル |
| PLを見るときは「想像力」がカギになる |
| 高炉はメーカー、電炉は加工流通業 |
4 | インパクトの大きい本質的な部分に焦点をあてる |
| 航空会社とバス会社は同じ経済構造 |
| 1%の議論なのか、10%の議論なのか |
| 日米の航空産業、儲け方の違い |
| 根本的な問題が未解決のままになる |
5 | ジョブズのいないアップルの今後はどうなる? |
| 利益の源泉はスーパーユーザー的な感性にあった |
| 一点突破で攻められなくなると・・・ |
第2章 | リアル経営分析の進め方 |
6 | 仮説と検証を繰り返して真実に迫る |
| 強みは弱みになりうる |
| 中小企業の背後にあるストーリー |
7 | PL、BS、CSを使いこなす |
| PLはイマジネーションのきっかけ |
| 3つの表は連動させなければ意味がない |
8 | 簿記はすべての基本 |
| 不自然さに気づく感性の磨き方 |
| 複式簿記をわかっていない人が多い |
9 | 基礎的な訓練の後は、ひたすら現場で経験を積む |
| 計画をつくるのがアダになることも |
| その数字から企業小説を書けるのか |
10 | 分析力は改革力 |
| タイミングを見定める |
| スイートスポットに玉を放り込むために |
11 | 真剣勝負をどれだけこなしたかで実力が決まる |
| 何月何日が資金ショートの危機なのか |
| リアルな想像ができるか |
12 | 会計の有用性と限界を知ること |
| 財務三表は最高の発明のひとつ |
| 国際会計基準の落とし穴 |
| 道具の奴隷になってはいけない |
第3章 | 生き残る会社と消え去る会社<実例に学ぶ分析枠組み編> |
13 | 経営分析を始めるとき、まず持つべき目的意識とは? |
| 聞いてみれば当たり前の話 |
| 一見良さそうでも実は泥沼の打ち手 |
14 | 規模が効くか効かないか |
| 購買を一本化しても不経済に |
| LCCは規模が小さくても儲かる |
| 高炉メーカーの世界フルカバーは正しいのか |
| コラム とても重要だがよく見落とされるポイント |
15 | 規模が効く業種と効かない業種 |
| 卸は数%の世界で儲けが決まる |
| 素材産業には規模が効く |
| レストランは個々の店の競争力の積み上げ |
16 | 業界構図の変質の陰には、必ず経済構造の変化がある |
| なぜ、食品卸は買収を繰り返すのか |
| 産業材、生産財の世界は別の理論 |
| コラム 卸プレーヤーのひとつの儲け方(範囲の経済) |
17 | カネボウ化粧品の販売チャネルで他社の化粧品を売れるか? |
| 美容部員の誇りと愛社精神 |
| 人間を観察し分析するしかない |
| 最も頻繁に語られる経営的幻想「シナジー効果」 |
18 | 規模、範囲、そして「密度」の経済性 |
| セブン-イレブンが四国に出店しないわけ |
| 顧客や地域との密着力こそが大切 |
19 | 都市型とロードサイド型の家電量販店の違いは? |
| 「ビックカメラ」「ヨドバシカメラ」と「ケーズデンキ」の違い |
| 食品、日用品売り場には人をかけない経済的背景 |
| コラム 広域展開する家電量販店はなぜ強いか?(価格交渉力) |
20 | 普及するほど価値が高まる製品・サービスがある |
| 顧客にとって価値を高めることで勝つパターン |
| 予測を裏切って高い普及率になったケータイ |
| 「0円ケータイ」登場の理由 |
| コラム n(n-1)/2の魔法(ネットワークの外部性) |
21 | ケータイが普及した後の勝負はどうなっていったのか? |
| 新期獲得よりも既存顧客に注力 |
| 生命保険会社にも似たストーリー |
22 | スイッチングコストが高い事業は高収益を生む |
| 「このブランドのバッグだから欲しい」 |
| 「シリコンバレー」と「駅ナカ」の共通点 |
| コラム 銀座の老舗はなぜ生き残っているのか(立地ビジネス) |
23 | 下請け工場と自前で商売している工場の違いとは? |
| ROSの高低を議論しても意味がない |
| トヨタが経営効率を高められたわけ |
| レイヤーの中で儲かるデンソー |
24 | インダストリー・バリューチェーンの中でどこに位置しているか |
| 黎明期か、成長途上か、成熟段階か |
| ユニクロは「垂直統合型モデル」 |
25 | 日本のエレクトロニクス産業でどこが儲かっているか? |
| 優良企業、3つの条件 |
| 脱総合化だけでは復活しない |
| コラム まだまだあるさまざまな勝ちパターン |
26 | そもそも勝ちパターンがつくりにくいビジネスもある |
| 商売いろいろ、儲け方もいろいろ(障壁事業と機会事業) |
| 大当たりを続けられるか |
27 | 事業経済性を理解すると見えてくる世界 |
| 3C分析をさらにクリアにする |
| 5Forces分析もSWOT分析もさらにクリアにする |
第4章 | 生き残る会社の数字のつくり方<ケーススタディーで分析訓練編> |
28 | 会社の事業モデルを自分なりに試算してみる |
| 事業計画づくりを疑似体験する |
| トマトの卸販売会社が訪ねてきた |
| 何人の社員で何台のトラックが必要か |
| 皆が想像できる数字で説明する |
29 | 試算をベースに自分でPL/BSをつくってみる |
| いきなり数字から入ってはいけない |
| 活動はPL、土台はBS |
| BSも事業実態から出発する |
30 | 相場観を身につける |
| スーパーマーケットで「単価」「値付け」を学ぶ |
| 類似企業の決算書をベースに価格交渉 |
| 危ない取引先も見分けられる |
31 | 単品管理ができれば経営改善はできたも同然 |
| 儲からない商品を売り続ける営業 |
| グローバル企業ほど難しい |
32 | 分けるはわかる、管理会計の重要性 |
| 管理会計はピンとくるためのツール |
| 精緻にすればよいというものでもない |
33 | さらにどうやるのがいちばん良い勝ち方なのかを考えてみる |
| アイデアや組み合わせを考える |
| 現実の競争相手を見て判断 |
34 | 数式の世界から人間ドラマの世界へ |
| 見切り発車で決めた無茶な原価 |
| ワンマン社長が招いた無責任体制 |
35 | その会社の事業に最適なスパンで数字を切り取る |
| 海底ケーブルの将来性は? |
| 1年か5年か10年か――物差しを区別して考える |
| 銀閣寺の物差しは何年か? |
36 | 経営分析で同業他社を丸裸にする |
| 「赤字覚悟に違いない」の間違い |
| 相手のからくりをひっくり返す |
37 | 「敵を知り、己を知り」、「百戦しても負けない」戦い方を編み出せ! |
| 会社とは、「ゴーイング・コンサーン」である |
| 答えは、学びと実践の繰り返しの中に |
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| おわりに―― 「会社」も「事業」も無形物 |
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