ワンランク上の問題解決の技術《実践編》
視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
ワンランク上の問題解決の技術
著者:横田 尚哉
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版日:2008/7/15
Amazon商品の説明より
『ワンランク上の問題解決の技術』―視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
「外資系コンサルやMBAホルダーによる問題解決本に飽き飽きしていませんか?」「学校で教わる教科書のような理論で、本当に問題は改善されましたか?」本書は、10年間で総額1兆円の公共事業を扱い、2000億円を超えるコスト縮減を実現した“カイゼン”のプロフェッショナルが教える、ワンランク上の問題解決技法「ファンクショナル・アプローチ」の実践ガイドです。
ファンクショナル・アプローチとは、1947年に世界最大の電機メーカーGE社で考案され、おもに技術の世界で広まった価値工学(VE)の手法です。課題に対して「どのようにすればいいのか?」と手段から考えるのではなく、「何のためにするのか?」(目的)、あるいは「それは何のためにあるのか?」(機能)という視点で徹底的に分析することで、問題の本質を明らかにしていくものです。
たとえば、業績が伸びている組織について考えてみます。そこで起こっている問題は、「社員が足りず、首が回らない。このままでは業務に対応できなくなる」というもの。社員が毎晩徹夜しても追いつかない状況です。ここでいう「社員が足りない」「業務に対応できない」といったことは、あくまで表に現れた「コト」でしかありません。
しかし、そこで手段ばかりに意識が向き、「社員を増やす」「業務量を調整する」といったうわべの対応しか考えつかないようでは、一時的に問題は解決できても、根本的な解決にはなりません。その背景には、それが生まれるに到った「ファンクション」があるはずです。改善点は「コト」にあるのではなく、「ファンクション」にあるのです。
本書は、ワンランク上の問題解決を実現するための「ファンクショナルなものの見方」を、「準備」「分解」「創造」「洗練」の4ステップで実践的に解説します。
会議運営、就職活動、残業問題、プレゼンテーション、クレーム対応などのさまざまなケースを事例に、巻末付録のワークシートを用い実際に手を動かしながら、生きた知識と具体的なノウハウが身につく一冊。
目次
| まえがき |
第1章 | ワンランク上の問題解決とは |
1 | 解決のカギは「問題の認識」と「改善点の特定」 |
| 問題解決5つのフェーズ「I・S・S・U・E」 |
| 問題をいかに認識するか |
| どの部分を改善すべきか |
2 | 問題解決がうまくいかない4つの理由 |
| [理由1]轍に沿って進もうとしている |
| [理由2]解決手段を一生懸命探している |
| [理由3]潜在的改善点を探そうとしない |
| [理由4]過去を手放したがらない |
| ワンランク上の問題解決をもたらす施行のルール |
3 | 「その努力は何のため?」 |
| 環状線の先頭をぐるぐる回っていませんか? |
| 「目標を達成しろ」の伝言ゲーム |
| 「無駄な努力」を見分ける2つの質問 |
| 「なぜ?」よりも「何のために?」 |
| 「手段志向」よりも「目的志向」 |
| 「どちて坊や」にならえ! |
| 目指すのは「どれだけ良くなったか?」 |
4 | 問題に直面したときの4つの志向パターン |
| [タイプ1]分析力と実行力の両方が乏しい |
| [タイプ2]実行力があっても分析力が乏しい |
| [タイプ3]分析力があっても実行力が乏しい |
| [タイプ4]実行力と分析力の両方を兼ね備えている |
5 | 改善点を見つける5つのアプローチ法 |
| [アプローチ1]仮説検証法 |
| [アプローチ2]品質管理法 |
| [アプローチ3]情報解析法 |
| [アプローチ4]類型置換法 |
| [アプローチ5]機能分析法 |
6 | ファンクショナル・アプローチで視点を変える |
| 常識から自由になる術を身につけよ |
| 常識は、2つの因子からできている |
| 「モノ」ではなく「ファンクション」に視点を移す |
| 手段から目的へ、部分から全体へ |
2章 | 実践ファンクショナル・アプローチ ステップ1 準備 |
1 | 5つのツールを準備する |
2 | より効果的な解決手段を見つける5つのヒント |
| [ヒント1]相手の立場で考える(使用者優先の原則) |
| [ヒント2]機能の視点で考える(機能本位の原則) |
| [ヒント3]過去ではなく未来で考える(創造による変更の原則) |
| [ヒント4]メンバーとともに考える(チームデザインの原則) |
| [ヒント5]価値を高めることを考える(価値向上の原則) |
3 | 「準備→分解→創造→洗練」の手順で考える |
| [ステップ1]準備……ツール、心構え、手順、対象を確認する |
| [ステップ2]分解……問題を含む全体をファンクションに分解し、再構築する |
| [ステップ3]創造……ファンクションを発想の原点にし、アイデアを創造する |
| [ステップ4]洗練::創造されたアイデアを評価しながら磨きあげる |
4 | 解決すべき対象(テーマ)をあらためて認識する |
5 | 対象(テーマ)をパーツに分解する |
| [コラム]GE社のアスベスト事件 |
3章 | 実践ファンクショナル・アプローチ ステップ2 分解 |
1 | 分解したパーツを「名詞+他動詞」で表現する |
2 | 付箋紙を使ってファンクションを整理する |
| [手順1]ファンクションを付箋紙に書く |
| [手順2]任意のファンクションを手にとる |
| [手順3]そのファンクションの目的を探す |
| [手順4]上位ファンクションを確認する |
| [手順5]さらに上位ファンクションを探す |
| [手順6]残りのファンクションをすべて関連づける |
| [手順7]全体をひとつにまとめる |
| [手順8]不足ファンクションを追加する |
3 | キー・ファンクションを見つけ出す |
| キー・ファンクションとは本質である |
| クリティカル・パス・ファンクションはシステムの原理を示す |
4 | キー・ファンクションの価値を測る |
| インプット量を把握する |
| アウトプット量を把握する |
| アプローチ・チャートで価値改善の方向を見る |
| [コラム]ローレン・D・マイルズ |
4章 | 実践ファンクショナル・アプローチ ステップ3 創造 |
1 | アイデア発想の原理を知る |
| 「外発的因子」と「内発的因子」 |
| アイデア発想のくせをつける |
2 | 5つのアイデア発想技法を使いこなす |
| プッシュ型とプル型を組み合わせる |
| ブレインストーミング4つのルール |
3 | 出てきたアイデアを分類・整理する |
| アイデアの有用性をチェックする |
| アイデアをグルーピングする |
| [コラム]二十世紀の三大管理技術とは |
第5章 | 実践ファンクショナル・アプローチ ステップ4 洗練 |
1 | アイデアを練って、練って、練り上げる |
| [手順1]利点を見つける |
| [手順2]利点を伸ばすアイデアを創造する |
| [手順3]欠点を見つける |
| [手順4]欠点を取り除くアイデアを創造する |
| [手順5]追加されたアイデアを取り込んで新しいアイデアにする |
| [手順6]さらに利点と欠点を見ていく |
| 「新たなアイデア」を「優れた解決手段」に成長させる |
2 | 解決手段を組み合わせる |
| [手順1]キー・ファンクションを達成しているかを見る |
| [手順2]ロールプレイで相手の気持ちになりきる |
| [手順3]アウトプット量を確認する |
| [手順4]解決前後を比較し、解決手段の価値を確認する |
| [手順5]いよいよ解決手段を実行する |
6章 | 日常をファンクショナル・アプローチで考える |
1 | 見聞きするもの、手に触れるものをテーマにする |
2 | 「何のために?」「誰のために?」に答えてみる |
3 | キー・ファンクションを見つける |
4 | 価値のグレードを判断する |
5 | もし改善するなら、どのようにするかを考える |
| [コラム]スパークが起きる50時間のワークショップ |
終章 | 目標に向かって、とるべき針路を見つけよう |
| ファンクショナル・アプローチは“羅針盤” |
| ファンクショナル・アプローチで就職活動を乗りきる |
| ファンクショナル・アプローチで職場の残業を減らす |
| ファンクショナル・アプローチで最高のプレゼンテーションをつくる |
| ファンクショナル・アプローチでクレーム対応を改善する |
| 表現された結果からファンクションを見いだす |
| あなたこそが羅針盤 |
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| 付録 ファンクショナル・アプローチ・シート |
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| おわりに |
| 謝辞 |
| 参考文献 |
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