消費するアジア
新興国市場の可能性と不安
消費するアジア
著者:大泉 啓一郎
出版社:中央公論新社
出版日:2011/5/25
Amazon商品の説明より
『消費するアジア』―新興国市場の可能性と不安
中国の一人あたりGDPと上海をはじめとする大都市圏の繁栄ぶりとのギャップからわかるとおり、もはや国レベルの平均化された指標は意味を持たない。大都市圏ごとの新しい経済単位を使う必要があるのだ。本書は、注目を集めるアジア大都市圏の構造を「消費」の視点で分析、格差拡大や社会不安など懸念材料を現実に即して考察し、アジア経済の新しい見方とアジアの未来市場としての日本の立ち位置を示す。
目次
| はじめに |
第1章 | 消費市場の拡大と高まる期待 |
1 | 消費市場へ向かわせる二つの力学 |
| 「日本とアジア」から「アジアのなかの日本」へ |
| 転換する日本企業のアジア戦略 |
| 私たちは、なぜアジアに向かうのか |
| 途上国から新興国へ |
2 | アジアの消費市場をどう捉えるか |
| 多様なアジア市場 |
| 急拡大する「ボリュームゾーン」 |
| 富裕層市場の台頭 |
| 低所得層市場への新しい視点 |
3 | 消費者市場はどう広がっていくのか |
| 消費市場の将来をどう描くか |
| 地理的視点の導入 |
| アジアの都市をどう捉えるか |
| メガ都市とメガリージョン |
第2章 | メガ都市の台頭 |
1 | 都市化するアジア |
| 世界は都市主導社会に |
| 農村社会から都市社会へ |
| 都市へ向かう人の波 |
| 巨大都市の出現と過剰都市化問題 |
2 | 過剰都市化からメガ都市へ |
| 過剰都市バンコク |
| プラザ合意と外国企業の進出 |
| バンコク周辺を志向する企業 |
| 産業クラスターの形成 |
| 消費市場としてのバンコク |
3 | アジアの新しい発展メカニズム |
| 雁行形態的発展と中国脅威 |
| 二一世紀型分業体制 |
| 厳しさを増す都市間競争 |
| ASEANのメガ都市からインド市場を狙う |
第3章 | 浮上する新しい経済単位 |
| ―メガリージョン化するアジア |
1 | 中国経済をどう捉えるか |
| メガリージョンとは何か |
| 大きすぎる国、まだ大きい省、自治区 |
| 三つのメガリージョン |
2 | 長江デルタ経済圏の形成 |
| 封印された国際都市 |
| 国際舞台への復帰 |
3 | 拡大するメガリージョン |
| 繁栄領域の拡大 |
| 「コア地域」の高付加価値化 |
| メガリージョンの購買力 |
4 | グローバル・シティへの道 |
| グローバル・シティとは |
| 上海はグローバル・シティになれるか |
| グローバル・シティの富裕層 |
第4章 | 成長力は農村まで届くか |
1 | 所得格差はどこに向かっているのか |
| フラット化か?スパイキー化か? |
| 貧困からの脱却 |
| 依然大きい地域間格差 |
| 格差はどこへ向かうのか |
2 | 都市と農村の人口ボーナス格差 |
| アジアの少子高齢化 |
| 人口ボーナスとは何か |
| 人口移動のインパクト |
| メガリージョンの人口ボーナス |
| 地方・農村の人口オーナス |
3 | 地方・農村の持続的発展の課題 |
| 統合か、分断か |
| インフラ整備はビジネス化できるか |
| マイクロファイナンスの役割とリスク |
第5章 | アジア新興国の政治不安 |
1 | 国内の南北問題 |
| 中所得国のワナ |
| 開発計画から競争戦略へ |
| ワナの回避はなぜ困難か |
| 中進国の課題 |
| 物言うマジョリティの台頭 |
2 | なぜタイは政治不安に陥ったのか |
| 治安の悪い国への転落 |
| タクシンは何をしたのか |
| タクシンが軽視した「物言うマジョリティ」 |
| 脆弱なメガ都市の社会基盤 |
| 低所得層の連帯 |
| 通信手段の発展 |
3 | メガリージョン時代の政治学 |
| 所得格差にどう向き合うか |
| 福祉国家vs国家競争力 |
| 経済成長vs社会安定 |
| 中進国の課題への支援と協力 |
第6章 | アジアの持続的市場拡大の条件 |
| ―新しい日本の立ち位置 |
1 | 激しさを増す資源獲得競争 |
| 消費市場拡大の対価 |
| レアアースとレアメタル |
| 日本の資源外交 |
| すさまじい中国の資源外交 |
2 | アジア版「成長の限界」を超えて |
| アジアでの地球温暖化問題 |
| 「成長の限界」を超えて |
| 求められるビジネスへの転換能力 |
3 | アジアの未来市場としての日本 |
| 課題先進国として |
| 課題克服のために求められるもの |
| 新しいソフトパワーの発信源に |
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| あとがき |
| 参考文献 |
| 索引 |
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