| はじめに |
序章 | 経営戦略とは何か |
第一章 | 備えの断層戦略―「備える」断層の経営 |
1 | 「演繹と帰納」による論理的戦略着眼の試み |
| 温故知新の戦略着眼思考法 |
| 事例に見る演繹法と帰納法による戦略着眼 |
| shop99――客を引きつける店舗名 |
| ファンケル――使い切りサイズの無添加化粧品 |
| ドンキホーテ――日常における祭りの空間 |
| 吉野屋――失敗の検証 |
| デンソー――技術革新の原動力 |
| 日清食品――組織変革と「ラ王」「スパ王」 |
| 演繹法と帰納法 |
2 | 思考の技術 |
| 思考の技術が戦略概念力の基底となる |
| 事例に見る思考の技術 |
| 名医の名医たる所以――ホリスティック・アプローチ |
| 武田薬品工業――「個」によって構成される機能体へ |
| 思考の基本技術を知る |
第二章 | 参入の断層戦略―「突く」断層の経営 |
1 | 「ニッチプレーヤー」として尖る |
| ニッチプレーヤーと競争地位の4類型 |
| 事例に見るニッチプレーヤーの戦い方 |
| 伊藤園――緑茶飲料市場のパイオニア |
| クイーンズ伊勢丹――こだわりと高級志向でブランドを磨く |
| ヴィノスやまざき――自ら買い付けるワインに的を絞る |
| 石野製作所――回転寿司コンベア機専化 |
| モスバーガー――不動の和製ハンバーガーチェーン |
| ウィルコム――カーブアウトによる独立再生 |
| 三洋電機――偉大なるニッチプレーヤー集合体 |
| ニッチプレーヤーの生き様 |
2 | 実体化の設計図としての「バリューチェーン」 |
| ビジネスの設計とは |
| 事例に見るバリュー・チェーンのつくり方 |
| デル――川上から川下までを一貫連鎖するダイレクト・モデル |
| はせがわ――垂直に水平を組み合わせたバリュー・チェーン |
| アスクル――文具業界のバリュー・チェーンを組み替える |
3 | 戦略主体と戦略構造を構想する |
| 戦略主体とは |
| 事例に見る戦略主体と戦略の最適化 |
| キヤノン――デジタルフォトで圧倒的優位を築く |
| 戦略構造を形成する戦略主体のあり方 |
第三章 | 足固めの断層戦略―「構える」断層の経営 |
1 | ぶれない戦略方針のための「競争優位の基本戦略」 |
| ぶれない戦略方針を固める |
| 事例に見るぶれない戦略方針の力強さ |
| 東横イン――徹頭徹尾ローコスト追求のホテルチェーン |
| スターバックス――洗練されたライフスタイルを体験できるカフェ |
| ダイハツ――軽自動車分野への徹底集中でトップの座に |
| 小林製薬――集中戦略で未知市場を顕在化させる |
| マブチモーター――独自の標準化の実現で圧倒的な優位に |
| ぶれない戦略方針である競争優位の三つの基本戦略 |
2 | 軸足を決める仮説検証のための「3C手法」 |
| 継続的成長に不可欠な「事実把握」と「仮説検証」の力 |
| 事例で考える「3C」の切り口――Customer,Competitor,Company |
| アマゾンジャパン――一人ひとりの「個」客のホンネに深く立ち入る |
| ユニクロ――カジュアルウェアの国民的定番ブランド |
| アサヒビール――「スーパードライ」に結実する復活劇 |
| 3Cによる事実把握と仮説検証 |
3 | 「7S」で組織の陣構えをする |
| 組織の骨組みと基礎 |
| 事例に見る「7S」の優れた連関体制のダイナミズム |
| トヨタの危機――一九九五年当時の状況 |
| 新生トヨタ――奥田イズムがもたらした状況 |
| 「7S」による組織体制の構築の整理 |
第四章 | 展開の断層戦略―「攻める」断層の経営 |
1 | 選択と集中のための「PPM」 |
| 垂直的成長のための攻めの資源配分 |
| 事例に見る有力企業のポートフォリオ・マネジメント |
| 「BOSS」の誕生――BCG版PPMでの分析 |
| ビール、無糖茶、サプリメント――マッキンゼー版PPMでの分析 |
| 戦略的資源配分に利用するPPM |
2 | 着実な戦術展開のための「事業拡大マトリックス」 |
| 戦術レベルの事業や商品の拡大策 |
| 事例に見る基本に則った事業(商品)の拡大戦術 |
| 花王――せっけん文明開化を革新し続ける |
| 花王――エコナブランドで食生活の常識を変える |
| 事業拡大マトリックスとは |
3 | 整然と攻めるための「機能戦略と事業部制」 |
| 陣構えから機能する戦闘体制へ |
| 事例に見る機能戦略と事業部制 |
| パナソニック――カリスマ経営者の事業部制から全社シナジーの実現をめざすグローバル連結経営、デジタル技術プラットフォーム |
| シャープ――一気通貫の機能別組織から画期的な新商品を生み出す |
| 機能戦略と事業部制とは |
第五章 | 成熟の断層戦略―「守る」断層の経営 |
1 | 戦略的思考としての論理的問題解決の基本 |
| 成熟期の経営改善の思考 |
| 事例に見る経営課題に対する戦略的思考 |
| デル――学生ベンチャーから劇的成長を遂げた世界第二位のPCメーカー |
| 論理的戦略思考プロセスとは |
2 | 持続的収益性をROICでマネジメントする |
| 事業の財務健康診断としてのROIC |
| 事例に見るROIC |
| 日産自動車――大胆なゴーン改革によるV字回復に成功 |
| 吉野家――牛丼単品経営で財務体質を強化 |
| アイシン精機――財務指標と製造現場の改善活動を結びつける |
| ROICとは |
3 | 経験曲線で集積効果を実現する |
| コスト低減の黄金法則である経験曲線 |
| 事例に見る経験曲線 |
| ソニー――盛田が主張したウォークマンの価格設定 |
| カシオ――浸透価格戦略で個人向け電卓市場を席捲 |
| 経験曲線とは |
4 | 規模と範囲の経済性でさらにコスト優位に立つ |
| コスト余力を生む規模と範囲の経済性 |
| 事例に見る規模の経済性と範囲の経済性 |
| サムスン電子――日本企業のお家芸を世界規模の戦略で実践 |
| パナソニック――事業とユーザー双方を利するデジタル技術プラットフォーム |
| マイクロソフト――地球規模でPCのOSデファクトスタンダードを確立 |
| 規模の経済性と範囲の経済性 |
第六章 | 転換の断層戦略―「破る」断層の経営 |
1 | 「V字カーブ」が示唆する戦略的業界地位の取り方 |
| 成熟産業内における業界地位の戦略的差異 |
| 事例に見る業界地位の優勝劣敗 |
| イオン――あらゆる小売業態と競うスーパーの雄 |
| オーケー――地元密着でEDLPを誠実に体現 |
| ウォルマート――世界規模の勝ち組企業 |
| 成熟業界で経験される「V字カーブ」と「死の谷」とは |
2 | 予断無く冷徹に経営環境を捉える |
| 変化する経営環境のダイナミズム |
| 事例に見るSWOT分析での経営環境の解釈と転換戦略の仮説 |
| ピザーラ――デリバリーピザ業態の牽引車 |
| 任天堂――ヒット商品連発の背景 |
| 代表的な経営環境の分析手法の整理 |
| 環境変化と積極的機会を探る「SWOT分析」とは |
3 | パラダイム転換の戦略オプションの探索 |
| 高く広い戦略視野を持つための5Forces Analysis(五つの力の分析) |
| 事例に見る「五つの力の分析」で顕在化する戦略パラダイムの転換点 |
| 「五つの力の分析」による戦略転換の視座の整理 |
4 | 経営統合や戦略的提携の実行に賭ける |
| 自前主義を捨て時間を買うM&Aと戦略的提携 |
| 事例に見るM&Aや戦略的提携に賭ける企業戦略 |
| フォードによるマツダの買収――異質な二つの企業体の双方向的な好循環 |
| 三菱商事とローソンの戦略的提携――川上から川下まで一気通貫に繋ぐ挑戦 |
| 実効性を確保するためのM&Aや戦略的提携の整理 |
第七章 | イノベーションの断層戦略―「離れる」断層の経営 |
1 | 生真面目で優秀なトップ企業を襲う「破壊的イノベーション」 |
| 破壊的イノベーションの危機と機会を知る |
| 事例に見る破壊的イノベーション・破壊的技術の威力 |
| Kマートとウールコ――同時に誕生したディスカウント・ストア業態の攻防 |
| ヒューレット・パッカード――自社内で真っ向から競合する新旧技術の取り組み |
| ビデオ一〇年戦争――ベータマックスとVHSの世界標準規格化の死闘 |
| 破壊的イノベーションの論点の整理 |
2 | 裸になり己の本質(コア・コンピタンス)に至る |
| 有形無形の複合的底力、コア・コンピタンス |
| 事例に見るコア・コンピタンスの多様な解釈 |
| セブン-イレブン・ジャパン――限りないコンビニ業態進化の先行者 |
| アップル――ライフスタイルを変革し生活に溶け込む天才企業 |
| コア・コンピタンスの原理と発展性の整理 |
3 | 原点回帰のゼロベース思考のマーケティング |
| ミクロイノベーションを起こすゼロベース思考のマーケティングとは |
| 事例に見るゼロベース思考のマーケティングによるイノベーション |
| シャープ――創業精神の再定義によるブレークスルー |
| 松井証券――繰り返しのゼロベース思考で業界モデルを革新 |
| エイチ・アイ・エス――ミクロイノベーションで顧客と市場を創造 |
| 原点回帰のゼロベース思考のマーケティングの整理 |
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| おわりに |
| 参考文献 |