論点思考
BCG流 問題設定の技術
論点思考
著者:内田 和成
出版社:東洋経済新報社
出版日:2010/1/29
内容(Amazon商品の説明より)
正しい論点で、
問題解決力が劇的に向上する!
ロングセラー『仮説思考』の著者が明かす
コンサルタントの暗黙知を解説。
ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。
この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。
コンサルタントの世界では、与えられた問題の分析ができ、その問題が解決できるというだけでは、コンサルタントとして半人前。一流のコンサルタントは論点が何かを見つけだす能力に優れているのだ。そして、パートナークラスのコンサルタントであれば、他の調査・分析作業は部下に任せることがあっても、論点の設定だけは自らが徹底的に行なう。
本書はこれまでコンサルタントの頭の中にしまい込まれていて名人芸と思われていたものを、読者のわかる形に分解し、やさしく説明している。日ごろの業務の中で「上司に言われた問題に取り組んでいるが、これでいいのか」「本当の問題は別にあるのでは」と疑問を持ちながらしている人、加えて、部下に問題・課題を与える立場にある管理職の人も必読の一冊
目次
| はじめに |
第1章 | あなたは正しい問いを解いているか |
1 | すべては問題設定に始まる |
| ケーキを半分に分けるには? |
| 最も重大なあやまち―間違った問いに答える |
| 「どんな広告を打つべきか」は解くべき問題か |
| 新製品開発は会社の成長につながるのか |
| カギは「既存顧客」だった |
| 論点の変更が提携の成功を導く |
2 | 問題解決プロセスにおける論点の役割 |
| 論点思考でニューヨークを復興させたジュリアーニ |
| 道路の横断取り締まりが凶悪犯罪を減らす |
| まず、与えられた問題を疑う |
| 問題解決のカギを握る最上流工程 |
第2章 | 論点候補を拾いだす―戦略思考の出発点 |
1 | 論点思考の論点 |
| 課題に優先順位をつけて絞り込む |
| 論点思考の四つのステップ |
2 | 論点と現象を見極める |
| 事例「会社に泥棒が入った」 |
| 事例「経営不振に陥ったレストラン」 |
| 事例「少子化問題」 |
| 論点設定せずに問題解決に取り組んではいけない |
| どこにでもある一般的な問題は論点にならない |
| 本当にそれが論点か |
3 | 論点は動く |
| 論点は人によって異なる |
| 論点は環境とともに変化する |
| 論点は進化する |
| 作業や議論で別の論点が見える |
第3章 | 当たり・筋の善し悪しで絞り込む |
1 | 当たりをつける |
| なぜよい釣り場がわかるのか―仮説をもつ |
| 白黒つけられそうなところからアプローチする |
| 仕事の依頼者の関心の低い分野を探る |
| 芋づる式アプローチ―「なぜ」を5回繰り返す |
| 深まるか、転調するか |
2 | 「筋の善し悪し」を見極める |
| 「解決できるか」にこだわる |
| 解ける確率の低い論点は捨てる |
| 筋の善し悪しを見極める感覚 |
| 選択肢の数も重要なポイント |
| 実行すれば成果があがるのは筋のよい論点 |
| 「あれもこれも」では結局、なにもできない |
| 経験が当たりの精度を高める |
第4章 | 全体像を確認し、論点を確定する |
1 | ブロービング(探針)を行なう |
| 質問をぶつけて反応を見る |
| 「論点の仮説」を立てる三つのアプローチ |
| 質問の繰り返しから筋のよい「論点の仮説」が生まれる |
| 意外な質問の効用 |
| 現場でブロービングする |
| 話を聞く以外にも、現場感覚を得る |
2 | 依頼主の真意を探る |
| 発言の真意、意図、バックグラウンドを考える |
| 直観によって言葉の裏を見抜く |
| 相手の靴に自分の足を入れる |
| 相手を「わくわく、どきどき」させる提案 |
|
3 | 引き出しを参照する |
| 相手の話の聞こえ方が変わる |
| 事例 オリンピックの金メダルを増やす方法 |
4 | 論点を構造化する |
| 拾い出した論点を整理する |
| 上位概念の論点を考える |
| 構造化にも当たりつけは必要 |
| 効果を考えて中小論点から実行する場合もある |
| 虫食いのツリーをつくる |
| 論点のレベルの違いを意識する |
| 全体像を把握しながら目の前の仕事を行う |
| 論点を見つけてから構造化する |
第5章 | ケースで論点思考の流れをつかむ |
ケース | 「原材料費が上がっている。コストの問題を解決してほしい」と上司から指示された |
| まず、現象の把握から始める |
| 当たりをつける |
| インタビューでインプットする |
| 引き出しを見る(アナロジーで考える) |
| 構造化で論点を確認する |
| 作業屋で終わってはいけない |
| 論点から導きだされた解決策 |
第6章 | 論点思考力を高めるために |
1 | 問題意識をもって仕事をする |
| 本当の問題はなにかとつねに考える姿勢 |
| 問題意識が論点思考を育む |
2 | 視点を変える |
| 視野・視座・視点の三要素で論点思考を高める |
| 視野―普段あまり見ていない方向に眼を向ける |
| 視座―二つ上のポジションに就いているつもりで仕事をする |
| 視点―切り口を変えてみる |
3 | 複数の論点を考える |
| 問いだ出せないのは危険 |
| 代替案を考えるには上下左右の論点が重要 |
| 自分の主張の論点を明確にする |
| 反対者の意見を想像する |
4 | 引き出しを増やす |
| 問題意識が引き出しを育てる |
| 集めない、整理しない、覚えない |
| 反論されても、説得せずに聞く |
5 | 論点思考の効用 |
| メンバーへの課題の与え方 |
| メンバーの力量に応じて、論点レベルを使い分ける |
| 人材育成のためには仮説より論点を与える |
| 時には失敗させる |
6 | 論点と仮説の関係 |
| 論点思考と仮説思考は密接不可分 |
| 問題解決のプロセスは行きつ戻りつするのが現実 |
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| おわりに |
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