ジョルジオ アルマーニ

帝王の美学

内容

男女の性差を超えた融合というそれまで誰も考えつかなかったアイデアを携え、モード界に颯爽と登場した男、ジョルジオ・アルマーニ。従来の構造を崩したソフトジャケット、ユニセックスなデザイン、「グレージュ」カラーなどのアルマーニ独自のスタイルは、モード界に一大旋風を巻き起こした。「モードの帝王」と称され、華やかな一面ばかりがクローズアップされる一方、そのプライベートはほとんど語られてこなかった。ファッションの道を進むきっかけとなったリナシェンテ百貨店への入社、分身といっても過言ではないセルジオ・ガレオッティとの出会いと別れ、すべてのインスピレーションのもととなった母親の存在…。70歳を超えてなお、アルマーニ帝国のトップに君臨しつづけるジョルジオ・アルマーニの素顔が、多数の写真と共にいま明らかになる。

読書メモ

帝王の仕事術！チームビルディング！
ビジネス書から離れて、別世界（モードの世界）に浸ってみよう、神話的で感性的なストーリーを楽しもう、と思っていたのですが、良い意味で裏切られました。

アルマーニが銀座にオープンした際にもその妥協のない仕事ぶりがメディアで取り上げられていましたが、その帝国を築くまでの彼自身とチームのプロフェッショナルな仕事ぶりが描かれています。私のような普通のビジネスパーソンとはかけ離れている人物ですが、成果を出す仕事をするために大変参考になる内容です。

アルマーニの仕事は異常なまでに完璧主義であり、規律とセルフコントロールによって常に高い集中力を維持している。スタッフにも同じ姿勢で同じように行動することを要求し、それに応えるスタッフが帝国を支えている。そしてあらゆる側面から彼を支援するパートナーがいる（特に仕事に集中しやすい環境づくり）。アルマーニ帝国は理想のチームのひとつだと言えます。この完成型に至るまでのプロセスは普通のビジネスパーソンでも取り入れられるところは多い。また、アルマーニも私たちと同じく、日常の仕事で直面する難題に悩み、試行錯誤しながら仕事をこなしていることがわかり、努力すれば彼のような仕事を達成できるようになるのでは？と勇気も貰えます。本書はアルマーニ・ブランド同様にちょっと高めのプライスですが、読了後にオシャレになった気分も味わえるので是非読んでみてください。

アルマーニのここがスゴイ！
・営業的見地からクリエーターとしての自分を否定できる
・伝説的なデザイナーであるにも関わらず、いまでもショーウィンドウのチェックなどスタッフのように現場を飛び回る

あとは本書で・・・

目次

完全なる美の追求者　安藤忠雄 謝辞 はじめに 1 少年時代 2 運命の出会い 3 新たなる挑戦 4 アメリカ進出

5 試練のとき 6 もう一人の自分 7 己に忠実であるために 8 世界征服 9 未来を見据えて 参考文献 訳者のあとがき