ネクスト・マーケット
「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
内容
世界には、1日2ドル未満で生活する貧困層が40億人いる。本書は、経済ピラミッドの底辺に位置するこの貧困層(Bottom of the Pyramid=BOP)こそ、今後急速に成長する魅力的な市場だと指摘。企業は彼らを、慈善や援助の相手としてはなく、ビジネスの対象として重視すべきと主張する。貧困層を「顧客」や「消費者」に変えるには、先進国向けの製品・サービスに少し手を加えるといった対応では不十分。技術、製品・サービス、ビジネスモデルそのもののイノベーションが欠かせない。BOP市場の基本となるのは、「パッケージ単位が小さく、1単位当たりの利潤も低い。市場規模は大きいが、少ない運転資本でも利益を出せる」ビジネス。例えば、米P&Gは低収入で現金不足のBOPに消費力を作り出すため、「使い切りパック」のシャンプーを販売した。ブラジルの家電チェーンは無理のない利子とカウンセリングで、BOPにも高品質な家電が買えるようにした。その他、医療、金融サービス、農業関連ビジネスなど様々な分野の成功事例も詳しく解説する。 BOP市場に参入することで得たノウハウ、実現したイノベーションは、先進国市場でも活用でき、企業の成長、発展に大いにつながると説いている。
読書メモ
企業と貧困層のWin-Win関係が貧困を緩和する?
本書では、企業がBOP市場へ積極的に関わり中心的な活動として位置付ける、またBOP自身も市場に積極的に関わり、活動的で情報に敏感な消費者になることを求めています。企業と貧困層の相互作用、貧困層のニーズを中心とした市場を共創(Win-Win)することが、貧困を緩和すると指摘しています。Win-Winになる理由
【企業側の視点】
◆じつは魅力的なマーケット
利益=(単価-コスト)× 顧客数
人数だけ見るともちろん巨大市場、もし(単価-コスト)がプラスになれば収益のインパクトは大きい。
◆イノベーション体質を育む
→限界ぎりぎりの生活であるBOPからの要求はイノベーティブなアイデアを生む
→低コストにつくり上げる技術を考える
BOPの窮状はイノベーションの宝庫(必要は発明の母)BOP市場で培ったノウハウを他の市場に転用でき、収益が改善される。
【BOP側の視点】
◆商品・サービスの選択肢が増える。
選択肢がないことで不利益を被るケースが多い。不要な分(量・機能)まで購入せざるを得ない。BOP市場向けのイノベーティブな商品・サービスは選択肢を増やし、結果低価格で購入できたり、出会えなかった機会(例えば自立)を享受することができる。
以上のように、BOPを顧客として捉えることによって、お互いに豊さを共有できる可能性を感じられる書籍です。企業視点から言えば成功事例も豊富で、BOP市場にある機会を実感できます。
目次
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Training Information
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