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代理店戦略=再考=

代理店戦略=再考=

[実践編 その1] どのような代理店と取り組みを深めますか?

2008 年 10 月 5 日

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前回のコラムでは、これからの代理店戦略コンセプトとして、地域需要を効率的に取り込むための「選択と集中」、そして地域需要を効果的に取り込むための「協働化」の2つを提示しました。今回は、いよいよ代理店戦略を立案し実践していくために必要なことの第1ステップとして、「代理店の評価と選別」について考えてみたいと思います。

■エリアの状況によって異なる2つの方向性

まずは、それぞれのエリアでの需要と代理店状況を見てみます。エリアの需要に対して、現在の代理店網でどの程度カバーできているかによって、戦略の方向性が変わってきます。

エリア需要に対する既存代理店網のカバー率が低い場合、現状のままでは業績を伸ばしていく(製品・サービスの浸透を図っていく)ことは期待できませんので、なんらかのテコ入れをしなければなりません。現在の代理店網を強化していくことでエリア需要を取り込んでいくことが可能であれば、個々の代理店ごとに強化策を講じることになります。しかしながら、多くのケースでは既存代理店網の強化だけでは困難であり、新たな有力代理店を開拓する必要が出てきます。

また、エリア需要に対する既存代理店網のカバー率が高い場合はより効率的にエリア需要を取り込むことを考えていくことになります。そのためには、自社資源(人、物、金、情報、技術)をどの代理店にどのように配分していけばより高いリターンを得ることができるかといった「投資対効果(ROI)」の観点から、代理店を評価・選別していきます。

以下は、「エリア需要に対する既存代理店網のカバー率が高い場合」について考えていきます。

■第1の評価軸はエリア密着度

第2回のコラムで、代理店チャネルの意義として「顧客に密着してニーズや課題を吸い上げることができること」を挙げました。この意義に照らし合わせてみると、取り組むべき代理店が見えてきます。

業界によって多少異なると思いますが、代理店には大きく2つのタイプがあります。ひとつは「直販型」の代理店。もうひとつは「卸型」の代理店です。

「直販型」代理店は、代理店自らが顧客へ営業活動をおこない、製品・サービスを販売していくといった形態です。それに対して「卸型」代理店は、小規模な代理店(二次店など称される)への再販をおこない、自らは顧客へ営業をしないといった形態です。

業界特性やエリア特性、製品・サービス特性などを勘案しながら自社の既存代理店がどちらのタイプであるかを見極めることで、より効率的にエリア需要を取り込むことができる「エリアに密着した代理店網」であるかが判断できます。

■第2の評価軸は代理店機能

エリア需要を取り込んでいくために必要な機能を代理店が保有しているかどうかも重要な評価軸になります。

もともと企業には代理店に期待する役割があり、その役割を遂行していくために必要な機能というものが定義されていると思います。それらの機能は顧客ニーズを満たすための機能であるともいえます。現実的には、全ての顧客ニーズを代理店単独で満たすことは困難な場合が多く、企業と代理店とでその機能の役割分担をしているといったケースが多く見受けられます。

業界によって異なりますが、代理店に求める機能は大きく分けると「人」「物」「金」「情報」「技術」に区分されます。いわゆる経営資源の観点から代理店機能を評価することで、エリア需要を取り込んでいける代理店かどうかの判断できます。

■代理店を総合的に評価し、選別していくために

前述の2つの評価軸に定量的評価(取引実績や伸長率、代理店内シェアなど)を組み合わせて総合的に代理店を評価します。その評価結果をもとに代理店の特性ごとにグループ分けをおこない、グループ単位での基本方針を立てます。そこで初めて戦略的パートナーとしてどのグループと取り組みを深めていくのかが判断されます。

グループ分けをおこなう際、その分け方にも工夫が必要です。グループの数については、少なすぎるとそもそもグループ分けをおこなうことの意味がありませんし、多すぎるとグループ単位の戦略や施策が複雑になってしまい、実行しようとすると混乱を招いてしまいます。

実際には、全て数字で割り切れるほど単純なことではないため難しい面もありますし、それぞれの業界や企業ごとに評価の仕方が異なります。製品・サービスの供給側(企業側)の視点から、これらの評価をおこなうことによってより高いROIを期待できる代理店が判断されます。

次回は、より実効性の高い戦略を立てるために、代理店の視点からの企業評価(製品・サービスの供給者の評価)について考えてみたいと思います。

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