次に、「よい大義名分」について考えてみる。
これは、総務担当者が「よい大義名分」と感じる営業マンの行動である。
ぜひ、ヒントにしてほしい。
①お世話型
徹底的にフォローするタイプ。
取引先によく顔を出し、総務担当者の依頼事項にも気軽にすばやく対応する営業マンである。
こういう状態が続くと、総務担当者にもプレッシャーがかかり、
「借りを返してあげたい」という気持ちになってくる。
義理堅い上司がいると、
「何か発注するものはないか」と、身内からのプレッシャーもかかってくることがある。
「ほんとうにいつもよくやってくれる。うちも何か協力してあげないとまずいだろう」
「当社の商売によく協力してくれる。うちも協力してやろう」
「自分のことよりお客のことを考えてくれる」
「ほんとうによく顔を出してくれる。何か発注するものはないか」
このように、総務担当者が感じてくれたら、営業マンとして、やりがいを感じ、もっとお世話したいという気持ちになるだろう。
ドライにビジネスライクに、出入りの関係会社として扱うのが自然なのだが、営業マンも、営業先の総務担当者も同じ人間。
お世話を受ければ受けるほど、お世話したくなり、受注のチャンスも増えていく。
営業マンが相談を受けるということは、早く解決したいというサインであり、そのサインを頻繁に受ける営業マンは、信頼されているという証拠なのである。
②プロ型
これは、プロとしての知識を発揮し、総務担当者に喜ばれるタイプである。
総務担当者のほとんどが、訪問してくる営業マンは「プロ」、
つまり、営業内容について自分よりはるかに知識を持っていると考えて接する。
総務担当者自身も、社内ではその業務のプロであるため、必死に勉強しているはずである。
そのため、営業マンには、豊富な事例から当社に合ったベストな提案をしてくれるという前提で話をしているのだ。
営業マンは、このようなセミプロと接するわけだから、営業マンの所属する業界や商品の動向、
物品やサービスに関連する法令や想定されるリスクと管理、導入に際しての運用ルールなど、
勉強する内容は山ほどある。
そして、総務担当者もこれらのことを知りたがっているはずだ。
つまり、頻繁に質問を受ける内容が、「大義名分」に深く関連していると考えられる。
「さすがはプロだ。ほんとうによく知っている」
「当社のことをよく勉強している。提案内容がすばらしい」
「いつも欲しい情報を提供してくれるから、ほんとうに助かっている」
営業マンは、総務担当者にとっての「プロ」であるべきなのだ。