「うちの会社の商売にまったく協力しない」
場合によっては、バーター取引を求められたり、お中元やお歳暮の商品購入を要請されることが時としてある。
総務部門として社内目標を持ち、部署間で競争、キャンペーンをはっていることもある。
こういうとき、「当社ではお歳暮の販売をしており、総務部も目標を持って販売キャンペーンをしています。なんとかご協力を得られませんでしょうか?」と営業マンに打診がくるはず。
それに対して、営業マン側の会社全体で協力する場合もあるし、その営業マンの個人購入という場合もあるだろう。
何か物品を購入する際、その営業マンの提案と他社の条件がほぼ同一の場合、総務担当者は上記のような依頼に対する協力状況を考慮して発注先を選定することもある。
つまり、総務担当者としては、上司への社内提案、稟議書の選定理由という項目に記載する、なんでこの会社を選んだのかという「大義名分」を探しているのである。
この協力が有力な「大義名分」になることを、営業マンはぜひ考慮しておくべきである。
「納品が終わると全然来なくなるよな。フォローが足りないよな」
購入および納品が完了した会社には、故障や追加発注のとき以外、ほとんど来ない営業マン、あるいは会社がある。
什器の場合だと、納品が完了すれば、そうそう訪問する必要はそんなにないのだが、納品後もオフィス環境の改善やら、耐震対策、組織内の人数の増減を見越した追加発注を提案して、相手先の総務担当者と接触することは、いくらでもできるはずである。
今後、あまり受注を期待できない既存顧客へ通うのは、正直、非効率な営業かもしれないが、総務担当者にとって何かと面倒を見てくれる営業マンは心強いし、再度発注する場合は、自然にその営業マンに頼むことになる。
また、頻繁に訪問することで、相手先の最新状態を把握でき、適切な提案が可能となる。
接触できる可能性がある限り、頻繁に通うべきである。
その営業マンの扱っている商品・サービスの範疇を超えたことであっても、それに関する会社を紹介することもできる。
「この営業マンはなにかと顔がひろい。人脈もある」そのように思わせることが大事である。ワンストップで頼れることほど楽なことはないのである。
但し、ノンアポは厳禁ということと、なんらかのお土産、情報提供をしないと、段々とあってくれなくなるからご注意されたし。
「ほんとうにプロか。私のほうがよくしっているぞ」
新人ならまだしも、ある程度経験をつんでいるはずなのに、話の内容や返答から、ほんとうにその道の専門家なのか、プロフェッショナルなのか疑問を持ってしまう営業マンがいる。
総務担当者は、営業マンに対し、扱っているものに関するプロという認識で見ているから、質問に満足に答えられないと意味がない。会っても時間の無駄と感じてしまう。
また、そういう印象を総務担当者に持たれてしまった営業マンは、その後はなかなか会ってもらえないし、プロではないという、その認識をくつがえすのは、ほとんど無理である。
これは、一回目の訪問で決まるといっていい。
自信を持って、豊富なデータを駆使し、他社事例も豊富に持っている。
そのようなイメージを持ってもらいたいものである。
営業マンが「さすがにプロ」という印象を、どれだけ総務担当者に強烈に与えられるかが、ポイントである。