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総務に選ばれる営業

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第2回 営業マンが、総務担当者に与える大義名分とは?

2011 年 10 月 28 日

営業マンが総務担当者に与える「良い大義名分」と「悪い大義名分」とはなんなのか?
これは、総務担当者が、発注先である営業マンを選択する際に大きくかかわってくる。

例えば、新しいコピー機を導入する場合を例にとって考えてみよう。
総務担当者はまず、必要とするスペックや性能、社内状況にあわせたサービスの要望を提示して、発注先の候補を複数社選ぶ。ここでは、これをA社とB社とする。
提案の期限を区切って、この2社から提案された内容と価格を比較検討し、この2社から、総務担当者として、総務部長や課長に提示する最終候補先を選択する。

総務担当者が総務の部長や課長に選択理由を伝える際、「A社は、コピー機本体の価格が安く、コピースピードが若干速いことがB社に勝っています」、「一方、B社は、コピー利用時の経費削減手法の提案や、新規導入に対するわが社の社内運用ルールの提案などにおいて、A社に勝っています。それに、当社のお客さま紹介キャンペーンの際に、多大な貢献をしてくれました」と、説明があったとする。
ハードに関する部分では、A社を選ぶのが至極当然だが、ここで営業マンが総務担当者に与えた「大義名分」が作用すると、B社を選ぶ結果となる。

B社は以下のような「良い大義名分」を総務担当者に与えたことになる。
①「いつもいつも欲しい情報を提供してくれるから、ほんとうに助かる」
②「当社のことをよく勉強している。提案内容が当社の実情にフィットしている」
③「当社のキャンペーンに大変よく協力してくれた。うちも協力してあげよう」

①は、経費削減の具体的提案があったことが「良い大義名分」として作用している。コピー機は購入後に、カウンター料金がボディーブローように経費面で響いてくる。この部分の削減方法を提案することは、総務担当者の懸念を的確に捉え、総務担当者としては大変助かる。なにせ、経費削減は総務担当者にとっては永遠の課題なのであるから。
②は、購入会社の実態をよく理解したうえで、導入時の社内運用ルールを提案したことが、総務担当者の、面倒な導入業務の手助けとなっている。社内の運用ルールは各社異なるので、その製品が購入会社にとってどんなメリットをもたらすか、どのように導入サポートをしていけば良いか、つまり、その会社の社内の状況をあらかじめ押さえていなければできない芸当である。
③は、自分の会社のビジネス、ここでは社内のキャンペーンに貢献してくれたことで、総務担当者のみならず、総務部長までが、良い印象もつことになる。社内の紹介キャンペーンや、なにかの販売キャンペーンは部門ごとに競争することが多いので、そこを手助けしてあげることは、総務担当者にとって大変助かることになる。

以上、3つの理由から、B社の営業マンが与えた「良い大義名分」が、総務担当者の発注先選択に作用したといえる。
数社を比較検討しても製品の特徴に大差が無く、どれも横一線の場合、総務担当者はこの「大義名分」をさがしているはずである。どのような理由から発注先を選択すればよいか、その判断軸を探しているはずである。その判断軸をもって、稟議書を作成し、総務部の課長や部長に「社内プレゼン」することになるからである。
稟議書をプレゼンする場合、総務部の課長や部長は必ず聞くはずである、
「どうしてB社なのか」
「なぜ、きみはB社でいこうとするのか」
その質問に対して、総務担当者が自信を持ってこたえる大義名分を必ず探しているのである。

では、次回から「良い大義名分」と「悪い大義名分」には、どのような違いがあるのか、具体例を交えながら説明していくこととする。

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