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カナモリさんのいうとおり~

カナモリさんのいうとおり~

熱い思いは手書きで伝える!・・・のか?

2008 年 12 月 3 日

【編集部からのコメント】
前回のコラムでは企画の中身、プランニングのやり方についてでしたが、今回はその企画をどう伝えるかです。当然誰かに伝えるにはプレゼンテーションする訳ですが、みなさんはドキュメントは何でつくっています?多分パワーポイントでつくるのが主流だと思うのですが、今回ご提案するのはアナログに手書きなんていかがでしょう。この時代に目立てると思います。
それではどうぞ!

プレゼンの準備をしようと思えば、間違いなくほとんどの人がパワーポイントを立ち上げるだろう。そして、クライアントの会議室に通されると、そこにはきちんとプロジェクターが用意されていることも珍しくなくなった。

青山学院大学で教鞭を執っている。担当科目は「ベンチャーマーケティング論」。講義の最終回には学生に課題である「自分が起業する場合のビジネスプラン」のプレゼンを行わせている。
昨今の若者特長である「プレゼン上手」に加えて、驚くのはパワーポイントの使い方だ。筆者も実はパワーポイントのプレゼンではアニメーションをよく使う方なのだが、学生は半端ではない。動くは、飛ぶは、鳴るは・・・。少々やり過ぎである。「まずは内容ありき」は厳命してあるのだが、ある機能はつい使いたくなってしまうようだ。

<トヨタグループが「パワーポイント」自粛令!?>と報じられたのが今年の5月のこと。渡辺社長が「パワーポイントは枚数も多いし、カラーコピーも多用して無駄だ」と発言したことに端を発し、「A3一枚にまとめる」となったようだ。その後、トヨタグループでA3一枚での報告やプレゼンがスタンダードになったのかはわからないが、脱パワーポイントの一つの動きではある。

しかし、プレゼンは相手の共感を引き出し、行動させるかが目的なので、A3一枚ではやはり少々心許ない。かといって、もはや誰でも(学生でも)器用に使えるパワーポイントでは差別化が難しくなってきているように感じる。

そんな漠たる悩みを日々抱えていたところ、クリエイターから「自分は手書きのプレゼンにこだわる」という話を聞いた。B2サイズのスケッチブックを使った紙芝居をするのだと。また、テレビのニュースやクイズ番組でおなじみの、隠して置いた箇所を「めくる」という技も使うらしい。パワーポイントのアニメーションとやっていることは同じだが、そっちの方が数段見ていて楽しそうだ。

では、手書きのプレゼンがカッコよくできるツールはないものかと思い、銀座伊東屋に行った。かつて、そんな品物を見た記憶があったからだ。
あった。外国製のクリアファイルの高級版みたいなものだ。何がただのクリアファイルと違うのかといえば、表紙を折りたたんで止めると、紙芝居よろしく、しっかりと自立するのである。ファイルを立てて、バサバサとめくることができるのだ。閉じると背の部分に持ち手がついていて、提げて歩ける。なかなかカッコいい。

伊東屋の店員から意外な話を聞いた。
このファイル、手書きのプレゼンをサポートするツールなど、もう流行らないだろうと仕入れを中止していたのだが、今年に入って急に売れ出しているのだという。ちょうど最後の一冊で、その後はいつ取り寄せられるかもわからないそうだ。

筆者と同じように、パワーポイントばかりでは、熱い思いを伝わるプレゼンには限界を感じている人が多くなってきているんではないかと思った。

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