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明日のマーケティングからのお知らせ

明日のマーケティングからのお知らせ

売り方は類人猿が知っている

2009 年 12 月 3 日

ルディー和子さんからお知らせです!


12月9日に、日本経済新聞出版社より「売り方は類人猿が知っている」という本を出版いたします。日経プレミアシリーズでいわゆる新書版ですから、安いです。 850円です。だから、買ってください(わっ、これじゃあ、ブログで散々批判してきた「芸のない安売り」と変わりありませんね)。

 ・・・では、今度は、「品質」でアピールしてみます。

 「自動車の売上とセックス頻度の関係」を解き明かす章もあります。S・E・Xの3文字を見ただけで、もう、買おう!って決めてませんか? なんといっても、エス・イー・エックスは売れるって、昔から広告関係者は言ってましたものね。この3文字に関係する実験とかエピソードはたくさん出てきます。でも、早とちりして買うとガッカリしますよ。基本的には、日本で自動車の売上が落ちているのは、世界各国のなかでも際立つセックスへの無関心が関係しているという、進化心理学や人類学にもとづくマジメな話です。

 不況になるとお金に不自由していない層までもが買い控えをする現象を、神経経済学の実験や進化心理学から、じっくり解明する章もあります。章のタイトルは「金持ち父さんは貧乏父さんのことがとても気になる」(白状します。他の本のタイトルをパクってます)。11月22日の読売新聞に、山梨大学の研究で、社会の所得格差が大きくなると、貧困層だけでなく、中間層や高所得者層でも死亡する危険率が高まることが明らかになった・・・という記事がありました。ストレスが高まることが原因らしいということです。不況になると、なぜ、高所得者層のストレスが高まるのか? その結果、なぜ、お金をもっているひとたちまでもが「巣ごもり」してしまうのか? この本を読んでいただければ、すぐにわかります。(宣伝ムード満開!)。

 不確実な時代には、不安なホモサピエンスはモノを買いません。

 それは、お金がない・・という理由よりも、いま所有しているものを失いたくないからです。現状を維持したいからです。人間は、予測できない世界に耐えられません。だから、無意識のうちに意味のないものに意味を見ようとするのです。だから、予測不能な不確実な時代には、よりいっそう、「ちゃらんぽらん」で「ちぐはぐな」消費行動をとるようになるのです。

 人間がそういった行動をとることを、神経科学や行動経済学、そして、その2つをプラスした神経経済学での実験が明らかにしてくれました。でも、その理由を教えてくれるのは90年代から注目を浴びるようになった進化心理学です。

 数十万年前から数百万年という太古の昔にもどって、私たちの祖先がしたことや学んだこと、環境の変化に心の仕組みが適応してきた歴史を知れば、現代の不可思議な消費行動が明らかになります。企業は、こういった研究成果をじっくり考えることによって、これからも続くであろう不確実な時代に生きる消費者たちに、どう対処したらよいのか?・・・ヒントを得ることができるはずです。

 わからないことはご先祖さまに聞いてみる。

 私たちの遠い祖先である類人猿や原人たちが教えてくれる「消費学」を1冊の本にまとめてみました。

 クチコミの歴史は数百万年前にサルの毛づくろいにさかのぼる・・・という話もあります。人間はゴシップ好きなDNAを受け継いでおり、また、他人といつも「つながっていたい」願望を、4百万年前に集団生活を始めるようになったころから持っています。だから、ケータイやTwitterでゆるくつながる現象は全然新しいことではない。ある意味、工業文明が始まることで崩壊した「村の暮らし」を、個人の自由が束縛されるといった欠点なしに再現することができたぶん、ホモサピエンスの歴史上、画期的なことかもしれない・・・などという話もあります。

 人間の進化の歴史をふりかえることで、現代の消費者とどう向き合うべきか、なんらかのヒントを得ていただくことができればよいなあ・・・というのが筆者の願いです。

 新しいアイデアを得られるかどうかは保証できません(逃げてる~)。でも、ミステリーを解読するみたいに、面白く楽しく読んでいただけることは、確率85%で保証できます(ちょっと宣伝しすぎだよ~)。ウソだと思ったら、買って読んでみてください(ああ、そうくるのか~)。

 ・・・ということで、よろしく、よろしく、お願い申し上げます(見えないかもしれませんが、土下座しています)。

「売り方は類人猿が知っている」
日本経済新聞出版社、日経プレミアシリーズ ¥850
Amazon.co.jp で詳細を見る

目次

1. 不安なホモサピエンスはモノを買わない
2. 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
3. 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
4. 自動車の売上と孔雀の羽の関係
5. 感情と記憶が長寿ブランドをつくる
6. 人間も進化の歴史から逃れられない

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