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統計学が最強の学問である

データ社会を行きぬくための武器と教養

統計学が最強の学問である
統計学が最強の学問である
著者:西内 啓
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2013/1/25

Amazon商品の説明より

『統計学が最強の学問である』―データ社会を行きぬくための武器と教養

あえて断言しよう。あらゆる学問のなかで統計学が最強の学問であると。どんな権威やロジックも吹き飛ばして正解を導き出す統計学の影響は、現代社会で強まる一方である。「ビッグデータ」などの言葉が流行ることもそうした状況の現れだが、はたしてどれだけの人が、その本当の魅力とパワフルさを知っているだろうか。

本書では最新の事例と研究結果をもとに、基礎知識を押さえたうえで統計学の主要6分野
◎社会調査法
◎疫学・生物統計学
◎心理統計学
◎データマイニング
◎テキストマイニング
◎計量経済学
を横断的に解説するという、今までにない切り口で統計学の世界を案内する。

統計学によって得られる最善の道を使えば、お金を儲けることも、自分の知性を磨くことも、健康になることもずいぶんと楽になるだろう。だがそれはあくまで副産物である。統計リテラシーによって手に入る最も大きな価値は、自分の人生を自分がいつでも最善にコントロールできるという幸福な実感なのだ。
(「おわりに」より)


目次

第1章なぜ統計学が最強の学問なのか?
01統計リテラシーのない者がカモられる時代がやってきた
H・G・ウェルズの予言/あみだくじの必勝法/統計学を制する者が世界を制する
02統計学は最善最速の正解を出す
統計学が最強の武器になるワケ/「疫学の父」ジョン・スノウの活躍/人類の寿命は疫学が伸ばした
03すべての学問は統計学のもとに
「エビデンス」が医療を変えた/教育にも活かされるエビデンス/野球にも経済学にもおよぶ統計学の影響
04ITと統計学の素晴らしき結婚
なぜ今、統計学が花開いたのか/フラミンガム研究の調査が2年に1回だったわけ/退屈だった「紙とペンの統計学」/「ビッグデータ」という言葉が流行るわけ/これからの10年で最もセクシーな職業
第2章サンプリングが情報コストを激減させる
05統計家が見たビッグデータ狂想曲
狂想曲を盛り上げる専門用語/データを活かすのにお金は要らない
06部分が全体に勝る時
失業率25%!/ニューディール政策を支えた統計家たち/全数調査vsサンプリング調査/80年前と変わらないおっさんたち
071%の精度に数千万円をかけるべきか?
サンプリング調査への「よくある反論」/誤差を計算する方法/サンプルを1万増やしても標準誤差は0・3%しか変わらない/まずは、正しい判断に必要な最小十分のデータを
第3章誤差と因果関係が統計学のキモである
08ナイチンゲール的統計の限界
「ふ〜ん」としか言えないグラフ/データをビジネスに使うための「3つの問い」/「集計」だけでよかったのは19世紀まで
09世間にあふれる因果関係を考えない統計解析
ツッコみどころが多すぎるグラフ/よくわからないまま使われる指標たち/死者・犯罪・暴動を生み出す食べ物とは?
10「60億円儲かる裏ワザ」のレポート
買ってくれる人、買ってくれない人の違いは何か?/「あるある」は当てにならない/DMの送り方を変えるだけで売上が60億円アップする
11p値5%以下を目指せ!
「誤差」を考えない試算は皮算用/「A/Bテスト」とはお馴染みの比較検討のこと/「0.1%」の差は出たけれど/「カイ二乗検定」と「p値」の登場
12そもそも、どんなデータを解析すべきか?
裏ワザを見つける3つめのポイント/ビジネスにおける明確なゴール/それは利益につながっているのか?/CPU温度の解析がコスト削減につながった
13「因果関係の向き」という大問題
因果関係には向きがある/ゲームと少年犯罪の因果関係は明らかにできるのか?/「フェア」じゃないからわからない/2つの解決法
第4章「ランダム化」という最強の武器
14ミルクが先か、紅茶が先か
「科学」の対象を拡大したランダム化比較実験/なぜ、ランダムでなくてはならないのか?/「1杯の完璧な紅茶の淹れ方」/オカルトとペテンの見破り方/研修やDMの効果測定にも
15ランダム化比較実験が社会科学を可能にした
科学は「観察」と「実験」からなる/「誤差」あるものの科学/「誤差」への3つのアプローチ/『実験計画法』は農場で生まれた
16「ミシンを2台買ったら1割引き」で売上は上がるのか?
「攻め」のための統計学/「誤り」と決めつけることの愚かさ/1億5000万ドルを稼いだクレーム対応/ランダムは意外とむずかしい
17ランダム化の3つの限界
「現実」の壁/「倫理」の壁/「感情」の壁
第5章ランダム化ができなかったらどうするか?
18疫学の進歩が証明したタバコのリスク
タバコの箱を見てみよう/「ケースコントロール研究」の登場/天才フィッシャーからの反論/世界中のデータによる再反論/「揃えきれていない条件」にどこまでこだわるべきか
19「平凡への回帰」を分析する回帰分析
回帰分析とは何か/背の低い野村くんの恋愛/ダーウィンの従兄弟と優生学/「平凡への回帰」の発見/「オリンピックの魔物」の正体
20天才フィッシャーのもう1つの偉業
ゴルトンの回帰分析の限界/回帰係数自体にバラつきがある/統計学者も理解できなかった「真値」というアイディア/回帰分析を使うための基礎用語
21統計学の理解が劇的に進む1枚の表
統計学の教科書は一般化線形モデルの扱いで2種類に分けられる/「1枚の表」の使い方/どの方法でも同じp値が得られるわけ/紛らわしい用語「一般線形モデル」
22重回帰分析とロジスティック回帰
学者も多用する統計手法の主役/フェアな比較が崩れるシンプソンのパラドックス/層別解析でパラドックスは防げるが……/層分けを不要にする重回帰分析/オッズ比を用いるロジスティック回帰/回帰分析が読めれば「いいかげんな言説」が駆逐できる
23統計学者が極めた因果の推論
回帰モデルを使う際は交互作用に注意する/ドツボにはまる変数選択作業/限りなくランダム化に近づく「傾向スコア」
第6章統計家たちの仁義なき戦い
24社会調査法vs疫学・生物統計学
統計学の6つの分野/正確さを追求する社会調査のプロたち/「妥当な判断」を求める疫学・生物統計家/終わりのない言い争い
25「IQ」を生み出した心理統計学
「一般知能」の発明/知能を7つに分けた多因子知能説/心理統計家の考え方と手法/心理統計家は「質問紙」に命をかける/IQへの結論
26マーケティングの現場で生まれたデータマイニング
意外なほど新しいデータマイニングの歴史/「おむつとビール」でバスケット分析/バスケット分析よりもカイ二乗検定を/人工知能の研究から生まれた高度な手法/なぜ、データマイニングの専門家は回帰モデルを「古臭い」と言うのか?/「予測」に役立つデータマイニング
27言葉を分析するテキストマイニング
計量文献学が否定した「シェイクスピア=ベーコン説」/テキストマイニングの王道「形態素解析」とGoogleを支える「N-Gram」/ビジネスにおけるテキストマイニングの活用法/テキストマイニングを活かすコツはそれ以外の統計リテラシー
28「演繹」の計量経済学と「帰納」の統計学
統計学と計量経済学の「表面的」な違い/統計学と計量経済学の「本質的」な違い/よりよいモデルを求める計量経済学者/影響力を強める計量経済学
29ベイズ派と頻度論派の確率をめぐる対立
頻度論派はシンプルに考える/ベイズ派は「事前確率」と「事後確率」を考える/計量経済学と相性がいいベイズ統計/迷惑メールの判別に威力を発揮するベイズ統計
終章巨人の肩に立つ方法
30「最善の答え」を探せ
エビデンスのヒエラルキー/最高のエビデンス「系統的レビュー」と「メタアナリシス」/「最善の答え」は公開されている
31エビデンスを探してみよう
日本語文献の探し方/英語文献の探し方/明らかになる課題
 
おわりに
参考文献
索引

Training Information

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