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明日のマーケティングからのお知らせ

明日のマーケティングからのお知らせ

不確実な時代のプライシング-価格は企業のメッセージ-

2011 年 9 月 6 日

ルディー和子さんからお知らせです!

 巷に流行るデジタルブック(PDF版)を発売することにしました。紙の本は時代遅れだなんてまったく思っていません。ただ、ビジネス本の場合、その時々の社会・経済情勢にあったテーマを書くときには、タイミングが重要。書いたものを数ヵ月後ではなく、すぐに発表できるのは素晴らしいことだと思います。

 プライシングは、当然のことながら、企業の生死を決めます。価格をきめるということは、企業の生存権の主張だともいえます。タイトルにもあるように、価格には企業のメッセージがこめられているというか、メッセージをこめてプライシング(価格づけ)をしなくてはいけない・・・と思っています。とくに、グローバル化や世界的経済不安による低価格化へのプレッシャーのなか、適正な利益を守る価格づけは企業の継続性を決定づけます(・・・・って、硬い本じゃないです。実際の企業名や商品名が続々と登場する具体的事例いっぱいの本です)。

 「不確実な時代のプライシング―価格は企業のメッセージ―」は1ページ当たり 39字x36行、本文62ページですから、通常の書籍でいえば130ページくらいになります。ですが、デジタルブックといっても、手作りのPDF版です。手作りといえば、ジュエリーでも手工芸品でも、大量生産商品よりも値段が高くなるのがふつうです。ですが、本の場合は、なんだかちょっと気がひける。

 ・・・で、・・・・・・・安くしました。

 書き下ろしなのに、たったの300円です!

 本文の「はじめに」と「目次」を下にご紹介します。興味を持っていただけましたら、ご注文は簡単です。下線のひかれたタイトルをクリックしていただければ、販売サイトにリンクいたします。そこで、クレジットカードでお支払いいただけます。販売サービスを運営しているのはデジタルコンテンツ販売大手GMOのデジコンカートで、私も1年くらい購買客として利用しています。セキュリティ、その他、安心してお求めになれます。

デジブック(PDF)「不確実な時代のプライシング―価格は企業のメッセージ―」 ¥300

はじめに(要約)

 21世紀は1年先を予測することすらむずかしい不確実な時代です。人間は近い将来を予測できないときに不安を感じます。不安な消費者はリスクをとることを嫌い、消費活動は一段と停滞することが懸念されます。

 昔のように不景気なときには値段を下げてじっと耐え、景気がよくなったら値段を上げて利益を出すといった単純なやり方では、持続性あるビジネスを維持することはできません。

 価格戦略の本を体系的に書いた本はたくさんあります。このデジブックでは、そういった本に書いてあるような内容はとりあげません。市場調査やテストにもとづくコンジョイント分析とか、競合との関係をみるパーセプション・マッピングのような分析手法をつかった戦略的価格設定・・・といったテーマも一切登場しません。

 「価格をいくらにすべきか?」ではなくて、「この価格でどうやったら顧客に買ってもらえるか?」に焦点をあてます。

 類似する商品群、低価格下へのプレッシャー、チャネルの増大という環境のなかで、消費者に影響を与え購買行動を変えることができるマーケティング力がよりいっそう重要になっています。しかし、また、国際的コンサルティング会社マッキンゼーが指摘するように、グローバルな競争において、日本企業のマーケティング力やブランディング力の弱さが問題であることも事実です。

 不安な時代には、消費者は感情に左右されて購買決定する傾向が高くなります。経済環境への感情的反応が重要になります。また、価格感応度でセグメンテーションすることも重要になります。

 このデジブックでは、消費者に買うという行動を起こしてもらうための価格のつけ方や価格の表現の仕方、価格のコミュニケーションのしかたについて書いています。買い手自身も気づいていない無意識の選択や判断について、心理学や神経経済学、通信販売でのテストであきらかになった事実にもとづき説明します。

 デマンドベースプライシングとかダイナミックプライシングという、顧客ごとに価格を変えるプライシングについても説明します。人件費がコストの大半を占めるサービス業においては、需要の高低に合わせて価格を上下させることで利益を出し、場合によっては、需要そのものを調節します。顧客の価格感応度は一人ひとり異なります。それにあわせて顧客ごとに価格を変える・・・売り手にとって理想的なプライシングをクーポンを利用して実現しようとしている企業もあります。

 このデジブックはプライシングを通じて売上や利益を上げるノウハウを教えてくれるのか?と問われると、少し困ります。でも、ヒントやアイデアを1つ2つは提供できるのではないかと願っています。

 が、それよりもなによりも、「売る」ことの醍醐味を思い出していただきたい。「売り手」と「買い手」との力学を思い出していただきたいと思って書きました。、マーケティングのダイナミクスをもう一度思い出していただければ、(日本の商品やサービスの品質は)世界のどの市場においても勝者になれると信じています。

目次

1章 消費者には「値ごろ感」などない

●イトーヨーカ堂の羽根布団  ●選択肢は多いほうがいい。でも、迷うのはいや  ●ユニクロがジーンズの値づけに失敗した?  ●なぜ、スターバックスは4段階の値づけをするのか?  ●消費者(人間)には絶対値がわからない  ● 「安い」には2種類ある  ●参照価格のふわふわ感  ●価格.comで比較することは賢い方法だろうか?  ●アップルの巧みな(?)価格戦略  ●ダイヤモンド(の高価格)は永遠に  ●心理物理学の世界  ●お金は重さとか明るさと同じように知覚されている  ●NBあってのPB  ●お金は皮膚感覚で感じるもの  ●高い安いのキューを出すのは売り手の仕事 

●コラム 損失回避性とユニクロの品揃えについて ●解説 選択のパラドックス

2章 不景気なとき高額品を売るのに成功した企業

●「買えば得になる」から「買わないと損をする」へ  ●訳あり商品・・・訳があるから安い  ●脚の折れたカニ ●訳あって高い  ●自粛に待ったをかけるコーズマーケティング  ●ショッピングする罪悪感を消してあげる  ●高額ジュエリを震災後に売る  ●モノ消費 対 コト消費  ●成城石井のPBにはストーリーがある  ●買い手が簡単に知覚できる違いにこだわる  ●高価格ではなく高価値にフレーミングしたタイヤ  ●消費者を低価格に走らせているのは企業自身  ● 儲けようとしない企業 

●解説 ストーリーはなぜ強いのか?

3章 価格(数字)の神経心理学

●990円か、それとも 980円か?  ●心理的プライシング  ●客は値札の左ケタしか見ていない   ●9という数字はネット販売では力を発揮できない  ●欲望が判断する価格  ●顧客の価格感応度を知る  ●ウォルマートの価格感応度によるセグメンテーション  ●脳はお金を払うときに痛みを感じる  ●お金を払う痛みをやわらげてあげる方法  ●けちん坊と浪費家のちがいは島皮質の感度のちがい  ●ケータイ電話の料金プランは確信犯  

●解説 ヒューリスティクス

4章 価格は企業のメッセージ

●「安くて一人勝ち」は本当か?  ●品質がよくて安いことを証明したニトリ  ●ウォルマートがELDPを始めた理由  ●「最低価格保証制度」は消費者への証明手形  ●不公平を感じさせない値下げ  ●何を提供しないかを明確に宣言する  ●飛行機内のトイレをつかうと料金を払わなくてはいけない? 

5章 不確実な時代のプライシング

●景気サイクルに合わせたプライシングでは生き残れない  ●マクドナルドの昔の失敗  ●100円コーヒーを思いとどまったスターバックス  ●ブランドは企業のサスティナビリティを支える資産 ●ポストイットの低価格バージョン  ●失業したら自動車返品OKで成功したヒュンダイ  ●高級バッグの3つの価格帯  ●低価格から高価格には進めない  ●3つのプライスゾーンで成功したマクドナルド  ●牛丼3社の価格競争は不毛の争いか?  ●吉野家の一人負け ●すき家の一人勝ち   ●消費者が知覚できる違いを提供していない吉野屋  ●一目でわかる違いが価格の差を生む   ●不確実な時代には感情によるセグメンテーション  

6章 ダイナミックプライシング(顧客、時間、場所によって価格を変える)

●顧客によって価格を変えることができたら?  ●定価の歴史は短い  ●飛行機会社が始めたダイナミックプライシング  ●イールドマネジメントの採用が遅れたJAL  ●全日空ホテルのレベニューマネジメント  ●レストランのデマンドベース・プライシング  ●ハンバーガーの値段は地域によって変わります  ●貧しい地域の価格を高くしたオーストラリアのマクドナルド  ●クーポンによって実勢価格が変わる(定価の意味がなくなる)  ●クーポンは個人の価格感応度を教えてくれる   ●ルールをつくるのは売り手企業  ●駐車料金をリアルタイムに変えることで渋滞をふせぐ  ●価格は企業のメッセージ

●コラム  小売業にとっての価格最適化分析とファストファッション      

 ・・・・ということで初めてのデジブック自主販売で、ちょっとドキドキしています。買ってくださったお客様が親類縁者+友人だけ・・・なんてことになりませんように! 購買時の問題、その他、何かございましたら連絡先メールアドレスや電話番号なども販売サイトやデジブック最終ページに掲載してありますので、安心してお求めください。

デジブック(PDF)「不確実な時代のプライシング―価格は企業のメッセージ―」 ¥300

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