日本企業にいま大切なこと
『日本企業にいま大切なこと』
著者:野中郁次郎 遠藤功
出版社:PHP研究所
出版日:2011/8/12
Amazon内容紹介
『日本企業にいま大切なこと』
「アメリカ型」はもはや古い! 不朽の名著『失敗の本質』で有名な世界的経営学者と、『見える化』を著したローランド・ベルガー日本法人会長が、日本逆転のシナリオを論じた往復対論。
情緒的、非効率、ガラパゴス……「だから世界では戦えない」と指弾された日本企業は、CSRにコンプライアンスと論理的・科学的経営を妄信してきた。ところがアップルやグーグルをはじめ世界に冠たるグローバル企業は、もはや「アメリカ型」に懐疑的。むしろ「共同体の善」「現場の暗黙知」といった日本の「当たり前」が注目されているのだ。
日本人自身が忘れた「日本の強み」を自覚せよ。「知識創造理論」を広めた世界的経営学者と「見える化」を唱えた現場主義の経営戦略家が、海外に売り込める日本の価値観を語り合う。
いまこそ「エコノミック・アニマル」に立ち戻れ/「ぶら下がり社員」を海外に送り込め/情緒的な国でどこが悪い/モノづくりに“身体性”を取り戻せ
目次
序章 | 日本の経営者は「実践知のリーダー」である――野中郁次郎 |
| リアリズムなき日本政治は「失敗」の本質をくりかえした |
| イデオロギーがもたらす単眼思考 |
| 「実践知」を活かした戦時のリーダー |
| 哲学が見えない原発停止要請 |
| 超法規的な「特区」が東北をよみがえらせる |
| 「ワイズ・キャピタリズム」の重要性を発信せよ |
第Ⅰ部 | 成功している世界企業は「アメリカ型」ではない |
第1章 | リーマン・ショックと大震災で何が変わったか |
| 日本企業にはコモングッドの精神がもともと宿っている――野中郁次郎 |
| 経営はたんなる「サイエンス」ではない |
| 「共同体の善」を重んじた日本黎明期の創業者たち |
| いまこそ「エコノミック・アニマル」に立ち戻れ――遠藤 功 |
| 追い込まれたことがプラスになる |
| 「超短期」と「長期」の2つのビジョン |
第2章 | 横文字思考の“毒” |
| コンプライアンスや数字から知恵や勇気は生まれない――野中郁次郎 |
| スティーブ・ジョブズの成功も「連続の非連続」 |
| 「過去」のデータを分析しても「未来」は切り開かれない |
| 情緒的な国でどこが悪い――遠藤 功 |
| メールやセクハラ・パワハラがよい関係性を破壊した |
| 経験もないのに仮説なんか考えても意味がない |
第3章 | 傷ついた日本の「暗黙知」と「現場力」 |
| イノベーションは平凡な日常からしか生まれない――野中郁次郎 |
| 発想の基本は現場・現物・現実からの帰納法 |
| 「創造とは一回性のなかに普遍を見ることだ」 |
| 愚直なまでに「質」を追求する現場を取り戻せ――遠藤 功 |
| 「体格」よりも「体質」で勝負する姿勢 |
| 危機に際して明らかになった現場の潜在能力 |
第Ⅱ部 | 海外に売り込める日本の「強み」 |
第4章 | ムダが多いはずの「総合力」が生きる時代 |
| 「ぶら下がり社員」を海外に送り込め――野中郁次郎 |
| 「グローバリゼーション」は「ローカリゼーション」 |
| 日本には深くて広い知が眠っている |
| 「ガラパゴス」こそ日本の「際立ち」の象徴――遠藤 功 |
| 「縦の深さこそ日本の力だ」と発想を逆転させればよい |
| 「総花」とは異なる「戦略的な総合性」 |
第5章 | 世界に注目される共同体経営 |
| 日本企業の価値観にいまになって欧米が近づいてきた――野中郁次郎 |
| 「プラクティカル・ウィズダム」は日本ではありふれた発想 |
| 国を背負っているという気概が世界ではリスペクトされる |
| モノや技術だけではなく「価値観」を売れ――遠藤 功 |
| 日本の「当たり前」が海外では評価される |
| 中国人でさえ「株主価値至上主義」に違和感を覚えている |
第6章 | 優秀な個を結集する「チーム力」 |
| モノづくりに“身体性”を取り戻せ――野中郁次郎 |
| 知が継承される「アジャイルスクラム」 |
| 知的創造には他社と共鳴し合う「場」が必要 |
| 「日本的なもの」を素直に誇れる20代を活用せよ――遠藤 功 |
| 「個性」と「連帯」を両立させた日本サッカー |
| 日本しか知らない人間には「日本のよさ」もわからない |
第Ⅲ部 | スティーブ・ジョブズに学ぶ「日本型」リーダーシップ |
第7章 | 意思決定のスピードをいかに上げるか |
| 社員をその気にさせる「大ボラ」を吹け――野中郁次郎 |
| 経営トップに必要なプロデューサー的資質 |
| 「マネジメントは教養である」 |
| 「職場」という単位に回帰せよ――遠藤 功 |
| コンセンサス重視の弊害 |
| 小さなヒントを大きなコンセプトに昇華させるセンスや能力 |
第8章 | 優秀なミドルをどう育てるか |
| リーダーは自分の夢や失敗談を語れ――野中郁次郎 |
| 適切な評価と内省を循環させる徒弟制度 |
| 大いに飲み、議論し、ケンカをする |
| 現場が元気な会社は「ノリ」がいい――遠藤 功 |
| 成功している課長は「はみ出す」ことを恐れない |
| 「遊び心」を仕事にもちこむ余裕がなくなった20年 |
第9章 | 賢慮型リーダーの条件 |
| 「ディシジョン」ではなく「ジャッジメント」――野中郁次郎 |
| ルールなんて破るためにある |
| 重要な判断に多くは要らない |
| 危機に直面したときの行動で企業の品格は決まる――遠藤 功 |
| 「OJT」を見なおそうとする動き |
| 政治が期待できないなら企業がやるしかない |
終章 | リーダーはつねに現場とともにあれ――遠藤 功 |
| 「中央」と「現場」の鮮烈なコントラスト |
| 「平時の現場力」の重要性 |
| 「中央」のエゴを押しつけるな |
| いまこそ企業は「社会的責任」を果たすべき |
| 日本にカリスマ的リーダーは要らない |
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