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カオティクス

波乱の時代のマーケティングと経営

カオティクス
カオティクス
著者:ジョン・キャスリオーネ
フィリップ・コトラー
出版社:東洋経済新報社
出版日:2009/9/11

Amazon商品の説明より

●不況・乱高下を逆手にとるマーケティング

「どのくらい深刻なのか。どの程度続くのか」。
2008年の米国で金融危機が突然発生したときに「近代マーケティングの父」フィリップ・コトラーと共著者のジョン・A・キャスリオーネは会う人、会う人にこう尋ねられたという。だれもが知りたがったのは、一時的な不況なのか、深刻な景気後退なのか、それとも大不況なのかということだった。
彼らの答えは、乱気流時代とも呼べる、新しい時代に入っているということであった。金融危機はほんの一時的なのかもしれない。従来まではこうした嵐の後には「通常」状態に戻るものであったが、これからはさまざまなレベルで乱気流が断続的に起こるというのが彼らの認識だ。

これを聞いて悲観するのは早計だ。不況もまたよしなのである。不況は転換点であり、実際、不況を境に多くの業界・業種トップクラスの4分の1~3分の1が過ちを犯し、転落し、トップクラスとは言えなかった企業が台頭するとも述べている。「売上げ挽回のための値下げ」「マーケティング費の削減」「全社一律のコスト削減・人員削減」「仕入先や販売業者を締めつける」、こうした不況期にありがちな対応はほとんどの場合は過ちで、企業の命取りになるとすら指摘する。不況を逆手にとり、機会を見出した企業が躍進するのだ。逆手にとるにはどうしたらよいか。
カオティクスという仕組みを備えることである。カオティクスとはリスクと不確実性を察知するための早期警報のしくみ、それらに対応するためのシナリオプランニングのしくみを企業の中に戦略として埋め込み、反応力が高く、強靱で、弾力性(回復力)のある組織をつくることだと説く。

著者陣はともに米国人であるが、短期的に利益を出そうとする、俗に言うアングロサクソン経営に対しての見方が非常に厳しいのが面白い。過去に乱気流を生き残った長寿企業を引き合いに出しながら、生き残る、しかも長期にわたって繁栄を収めるために何が必要かを解説している。

目次

原著はじめに―カオティクスとはなにか?
謝辞
序章乱気流とカオスに対応する
第1章ノーマルからニューノーマルへ
世界は新しい経済ステージに入った
市場乱気流の正体とは?
カオスを引き起こす可能性があるもの
本章のまとめ
第2章乱気流への対応を間違うと命取り
乱気流時代に犯しやすい過ち
コア戦略と企業文化を損なう資産配分をする過ち
計画的行動ではなく、全社一律の経費削減をする過ち
目先のキャッシュのために人材を使い捨てにする過ち
マーケティング、ブランド、新製品開発の各経費を削減する過ち
売上減少を挽回するために値下げする過ち
販売関連費を削減して自ら顧客から離れていく過ち
社員研修や能力開発費を削減する過ち
仕入先・販売業者を軽視する過ち
本章のまとめ
第3章カオティクス・マネジメントの全体像
脆さと機会にうまく対処する
早期警報システムを構築する
キーシナリオを構築する
シナリオと戦略を選択する
本章のまとめ
第4章カオティクスによる戦略的対応
反応性・強靭性・弾力性の高い組織が生き延びる
カオティクス・マネジメント・システム
財務部門とIT部門の対応
製造・オペレーション部門の対応
購買・調達部門の対応
人事部門の対応
本章のまとめ
第5章カオティクス・マーケティング戦略
現状の方針や計画を疑ってみる
危機に対するありがちなマーケティング
危機に対して戦略的に対処するマーケティング
マーケティング部門が直面する実務上の問題
販売部門が直面する実務上の問題
本章のまとめ
第6章「波乱の時代」を逆手にとる
クラウセビッツから学ぶ戦略実行の三原則
「持続可能性」のある企業に学ぶ
本章のまとめ
 
原注
人名索引
事項索引

Training Information

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