| はじめに |
第Ⅰ部 | 戦略分析のための「フレームワーク」を理解する |
| 基本の習得なくして応用なし |
| 3Cで全体を大きく捉え、5つの力とバリューチェーンで業界や企業を具体的に考えていく |
第1章 | 仮説思考力を進化させる──3C分析 |
ストーリー | 家庭教師派遣会社の営業マネジャーの悩み |
理論 | 3C分析を実践で使うポイント |
| 3C分析の原点は大前研一氏 |
| 3C分析は、買い手と提供者をマクロ・ミクロの視点で分析していく行為 |
| 市場分析:どう細分化するかの勝負 |
| 顧客分析:固有名詞で考える |
| 業界分析:「5つの力」を丁寧に読み解く |
| 競合・自社分析:視点を絞ってから考える |
| 3C分析は進化させてこそ価値がある |
| データは「ある」ものではなく「自分で調べる」もの |
| 初期仮説立案こそ、ミドルリーダーの役割 |
解説 | 地に足のついたリアリティのある3C分析を行う |
| 3C分析に取り組む姿勢は「最後の1枚」に表れる |
第2章 | 業界の構造を読み解く──5つの力分析 |
ストーリー | 部品メーカーの営業担当者の悩み |
理論 | 「5つの力」とは業界の儲かりやすさを分析するために開発されたツール |
| 意味のない「5つの力」を量産しても時間の無駄 |
| 「5つの力」を考えるための5ステップ |
| ステップ① 市場定義 |
| ステップ② 事実の記載 |
| ステップ③ 脅威レベルの解釈 |
| ステップ④ 業界構造把握 |
| ステップ⑤ 今後の戦略立案 |
| 代替品・新規参入の分析は入念に |
解説 | 「5つの力」の本質的な使い方を考える |
| 「どの市場で自分は戦っているのか」から考え抜く |
| フレームワークによって「見えないことを見る」努力をする |
第3章 | 顧客にとっての「価値の流れ」を設計する──バリューチェーン分析 |
ストーリー | 健康食品メーカーの経理課長の悩み |
理論 | バリューチェーン分析は企業内部の各機能の流れ・つながり方に着目した分析 |
| バリューチェーンにはいくつかのレベル感がある |
| 顧客価値を起点にステップを踏んで考える |
| ステップ① 顧客価値の理解 |
| ステップ② 行動ベースの分解 |
| ステップ③ 支援活動の定義 |
| ステップ④ 比較対象を定義する |
| ステップ⑤ 事実やデータを洗い出す |
| ステップ⑥ 示唆を考える |
| 「進むべき方向性」を描いていなければ、単なる「効率化」のための分析で終わってしまう |
| 裏側に「流れるもの」を考察しないバリューチェーン分析は危険 |
解説 | バリューチェーン分析の落とし穴を避ける |
| バリューチェーンの全体像を考える |
第Ⅱ部 | 戦略の「パターン」を理解する |
| 極めて普遍的なポーターの「3つの基本戦略」 |
| 「利益」=「価格」-「コスト」がすべて |
第4章 | 意味のある「差」をつくれるか?──差別化 |
ストーリー | 大手焼肉チェーンのエリアマネジャーの悩み |
理論 | 「差別化」という言葉が日常化しつつある時代の差別化 |
| 差別化を考えるための「外側」と「内側」という2つの側面 |
| 「売り文句」を絞り込む |
| 顧客にとってそれは「重要」なことか? |
| それは競合と「差がある」か? |
| 差別化のキモは「組織能力」にあり |
| 組織能力は意図的に育てるもの |
| 「外側」と「内側」との対話ですり合わせる |
解説 | 真の差別化戦略のために |
| 差別化の「幻想」に陥らない |
| 「外側」と「内側」の結節点であるミドルリーダーは機能しているか? |
第5章 | 規模の経済はどうすれば実現できるか?──コストリーダーシップ |
ストーリー | 食品容器メーカーの資材調達担当課長の悩み |
理論 | コストリーダーシップのアプローチ |
| 【コラム】「範囲の経済」とは「シナジー」のこと |
| 「わかったつもり?」の「規模の経済」 |
| 大きな固定費が必要な事業ほど、規模の経済が効きやすい |
| 変動費部分にも規模の経済は効く |
| 「規模の不経済」に要注意 |
| 規模の不経済の要因①:生産キャパシティを超えた規模拡大をする場合 |
| 規模の不経済の要因②:付加価値に対比して物流費がかかる場合 |
| 規模の不経済の要因③:生産量にばらつきがある場合 |
| 規模の不経済の要因④:個別案件ばかりで共通部分が低い場合 |
| 規模の不経済の要因⑤:マネジメントの非効率化が発生する場合 |
| 規模の経済を実現するための4つのステップ |
| 「言葉」ではなく「メカニズム」を理解する |
第6章 | どうすれば顧客を絞り込めるか?──集中戦略 |
ストーリー | 中堅フィットネスクラブのマーケティングマネジャーの悩み |
理論 | 「ナンバー1」ではなく「オンリー1」を目指すことが集中戦略の本質 |
| 局所的市場における限定的なニーズに対応する |
| 顧客にニーズを聞いても意味はない |
| 「狭い」からこそ、市場の広がりが見える |
| 「強み」と「ビジョン」に整合していることは大前提 |
| 変化をあらかじめ織り込んでおく |
| それを大好きな人が、機動的に身軽に動ける組織であるか? |
解説 | 絞った顧客の「用事の広がり」を見出す |
第Ⅲ部 | 戦略キーワードを理解する |
第7章 | 顧客の高い要求にどこまで対応すべきか?──イノベーションのジレンマ |
ストーリー | 法人向け英会話スクールの営業担当者の悩み |
理論 | 優良企業だからこそ失敗する構造とは |
| ジレンマに陥らないための視点①:「顧客」の過剰満足を追求していないか? |
| ジレンマに陥らないための視点②:「代替品」を「脅威として対応」していないか? |
| ジレンマに陥らないための視点③:仮説思考で考えているか? |
解説 | 過剰満足の罠を回避するために |
| 現場の頑張りがかえって傷を広げる |
第8章 | 成熟期からは衰退期に行くしかないのか?──プロダクトライフサイクル(PLC) |
ストーリー | 大手旅行代理店のマーケティング担当者の悩み |
理論 | 製品・サービスの栄枯盛衰の4ステージ |
| ステージごとに採るべき戦略の定石がある |
| PLCのステージは「市場の広がり」をどう定義するのか次第 |
| 意外に「感覚的」な市場規模 |
| ライフサイクルの「曲線」を予想するための「5つの力」分析 |
| 成熟期に欠けがちな戦略議論の機会 |
| 成熟期の大きな壁は、ミドルリーダーの「具体化能力」の衰えにある |
解説 | 戦うべき市場の認識を組織内で揃えることから始める |
| ミドルリーダーが思考停止せず具体的に考える |
第9章 | リソースをどう配分すべきか?──プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM) |
ストーリー | 商社人事担当者の悩み |
理論 | PPMは、複雑な企業経営の全体像を一目で感覚的に理解するためのツール |
| PPMはキャッシュ(資金需要×資金獲得)の概念から成り立っている |
| どのハコに分布されているかによって、取るべき戦略が決まる |
| ①スター:相対シェア高×市場成長率高 |
| ②金のなる木:相対シェア高×市場成長率低 |
| ③問題児:相対シェア低×市場成長率高 |
| ④負け犬:相対シェア低×市場成長率低 |
| PPMの限界を理解する |
| ①プロダクトライフサイクルに起因する限界 |
| ②経験曲線に起因する限界 |
| ③分析単位に起因する限界 |
| ④着目点がキャッシュに限定されていることに起因する限界 |
| 実務においては、「見えないこと」を理解したうえで活用する |
解説 | 課題を浮きぼりにするための2軸をじっくり選ぶことが重要 |
| マトリクスを活用して経営の全体像をシンプルに表現してみる |
第10章 | 戦略立案のスピードをどう高めるか?──PDCA |
ストーリー | 大手損害保険会社現地法人部長の悩み |
理論 | PDCAサイクルの経営レベルでの考え方 |
| 戦略立案のアプローチには、意図的戦略と創発的戦略の2種類がある |
| 環境変化度合いに応じて、あるべきPDCAのスタイルも変わる |
| “ある程度検討したら、素早く始めて、さっさと失敗する” |
| 創発的戦略のPDCAは、「仮説」と「発見」を取り込んだもの |
解説 | これからのミドルリーダーは、「走りながら考える」行動様式を身につけよう |
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| おわりに |
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