| 発刊によせて |
| 推薦の言葉 |
| 監訳者まえがき |
| まえがき |
| 意見と質問 |
| 謝辞 |
第Ⅰ部 | 変化はなぜ起こったのか |
| 顧客は企業よりも速いスピードで、革命的な技術に適応を続けています。 |
1章 | つながり合う顧客 |
| 顧客はつながり合い、ネットワーク化されたコミュニティーを形成しています。このコミュニティーは迅速な情報共有を可能にし、共通の関心を持ったグループの形成も可能です。企業が生存してゆくためには、このような顧客の声や要求に耳を傾ける必要があります。 |
2章 | サービス経済 |
| 工業化というのは1 つの局面にすぎず、先進諸国では工業化は終わろうとしています。そして先進国では、サービス業が経済成長の中で多くの割合を占めるようになりつつあります。 |
3章 | すべてはサービスである |
| 製品と同様に、他者から孤立していてはサービスを設計し実現することは不可能です。サービスは顧客とともに作成するものであり、より広いサービスのネットワークあるいはクラスターとの間で相互依存しています。 |
4章 | サービスは複雑である |
| サービスによって、経営の中に顧客が組み込まれます。その結果、事前の予測が困難なほどの複雑さと多様性が生じることになります。社員やシステムが顧客や提携先あるいはサプライヤーとじかに接する境界の部分で、企業は多様性を受け入れられるようにならなければなりません。 |
5章 | 顧客への関心が失われるとき |
| 企業はその成長につれて、さまざまな理由で顧客への関心を失いがちです。成長を続けても、企業は顧客に対してより深いコミュニケーションを保ってゆくようにしなければなりません。 |
6章 | 構造改革は必須である |
| 進化とイノベーションは専門化をもたらし、企業の適応力やさらなる進化を妨げがちです。企業が何らかの目的においてピークまたはそれに近い効率を発揮しており、企業を取り巻く環境が変化しているとしたら、それはより適応的になるための根本的な構造改革を行うべきときかもしれません。 |
7章 | 複雑性が世界を変える |
| ネットワーク化し相互依存する複雑化した経済では、あいまいで不確実かつ競争の激しい状況が生み出されています。企業には、環境変化に素早く対応しリスクを解消してゆく柔軟さが求められます。 |
第Ⅱ部 | コネクト型企業とは |
| 適応を可能にするために企業は、機械的にふるまうのではなく学習する有機体にならなければなりません。外界に対して積極的にインタラクションを行い、実験やフィードバックを通じて改善を続けてゆく必要があります。 |
8章 | コネクト型企業は学ぶ |
| 我々は企業を機械のようなものとしてとらえがちです。しかし機械は学ぶことはできず、適応もできません。学習とは有機体に固有の特性です。 |
9章 | コネクト型企業には目標がある |
| 学習とは、何かを行おうあるいは何かを発生させようというゴールがあって成り立つものです。学習しようという意志のない行動は、目標のない場当たり的なふるまいと同程度の効果しか生みません。企業にとっての目標とは、利益を発生させつつ顧客のために何かを行うという点にあります。 |
10章 | コネクト型企業は顧客からフィードバックを得る |
| 成果を向上させるために、学習ではフィードバックが必要になります。サービスの質を判定する際には、顧客が最も重要な役割を果たします。したがって、最も重要なフィードバックは顧客からのものなのです。 |
11章 | コネクト型企業は実験する |
| 未知の事柄が多く不確定な環境では、どのような成果が必要になりどのような学習が行われるのか知ることはできません。 学習のためには、新しい物事をどんどん試してみる必要があります。 |
第Ⅲ部 | コネクト型企業の働き |
| コネクト型企業では、顧客との接点に権限を分け与えることを通じて学習や適応を可能にしています。ここでは半自律的なポッドがそれぞれ共通の目的を追求し、プラットフォームが各ポッドの活動を組織し整理します。 |
12章 | 複雑性との戦い |
| 良いニュースもあります。複雑性や変化に対応する際の課題の多くは、複雑性の問題を提起した張本人つまり技術者によって解決済みです。彼らは課題を解決しなければならなかったからこそ、実際に解決できたのです。 |
13章 | 未来はポジュラー性にある |
| コネクト型企業とは、思考せず行動するだけの部品からなる階層構造ではありません。複雑系の中で、個々の構成要素も自身のみで完全に機能するというホラーキーが形成されています。ホラーキーは分割された現在の組織とは異なる種類の枠組みに基づいています。それはポジュラー性と呼ばれます。 |
14章 | ポッドは自らの運命を決定する |
| ポジュラー性のある組織にとって、基幹となる構成要素がポッドです。ポッドは小さく自律性を持ったユニットであり、企業を代表して成果物を顧客に提供する権限を与えられています。ポッドは柔軟かつ迅速であり、規模の拡大に対応でき回復力もあります。 |
15章 | ポッドにはプラットフォームが必要である |
| ポジュラー性のある組織では、ポッドをネットワーク化するためのサポートの仕組みが必要です。これによって各ポッドが活動を調整したり学習の結果を共有したりでき、企業全体の効率性が高まります。このように、コミュニティーの効率向上をサポートするための構成要素をプラットフォームと呼びます。 |
16章 | コネクト型企業での学習 |
| コネクト型企業は成長と学習を続けます。生物や複雑系と同様に、成長は自然のリズムやパターンに左右されます。個人やチームが学習を行ったら、得られた知識を何らかの方法でより大きなコミュニティーと共有しなければなりません。コミュニティーが学習する際には、プラットフォームはコミュニティーをサポートするための方法を学ばなければなりません。 |
17章 | ネットワークでの力と統制 |
| コネクト型企業は1 つのネットワークであり、他のネットワークの中で生存しています。ネットワーク化された世界の中で効率を高めるには、新しい思考や行動の様式が求められます。それは予測や制御ではなく、知識の深さや影響力あるいは互換性といった概念と強く関連しています。 |
第Ⅳ部 | コネクト型企業の指揮 |
| コネクト型企業は生き物であり、より大きなネットワークの中で学習するネットワークです。ネットワーク上での力は強制ではなく知識や影響力から生まれます。ここでのリーダーは、明確で相互を信頼でき目標を共有できる環境を作り上げなければなりません。同時に、経営者は学習と高成績の実現をサポートできるようシステムを設計し調整を加えてゆく必要があります。 |
18章 | 実験結果の蓄積としての戦略 |
| 戦略は通常、上級役員の専門分野であると考えられています。しかし彼らはある意味、将来のビジョンを描くには最も適していない人々かもしれません。彼らの投資はほぼすべて過去に行われたものであり、彼らがこの企業にいるのもそう長くないと思われるからです。一方、コネクト型企業での戦略はあらゆるレベルで発生します。戦略にはグループ間をまたがるものもあり、期間もさまざまです。その実行結果は豊富に蓄積され、上級役員はここから情報を引き出せます。 |
19章 | コネクト型企業のリーダーとは |
| コネクト型企業とは、半自律的なユニットが緩やかに結合したネットワークです。このような組織でリーダーに求められる役割とは何でしょうか。明確に理解でき、相互を信頼でき、目標を共有できる環境を整えることにリーダーは注力するべきです。これによってメンバーは企業の意義を理解でき、顧客との約束をどのように果たそうとしているのか知ることができます。これが達成できたら、リーダーは余計に出しゃばるべきではありません。 |
20章 | コネクト型企業の経営者とは |
| 経営者の責務とは、企業の目標達成をサポートするシステムを設計し運用してゆくことです。個人の自由と全体の利益との間で注意深くバランスを取り、プラットフォームでの決定に人々を関与させ、企業が適切な「体温」で新陳代謝を保てるようシステムを調整してゆく必要があります。体温の低すぎる企業は硬直した官僚制度に陥り、高すぎると無秩序や混沌を招きます。 |
第Ⅴ部 | 我々の進むべき道 |
| どんな事業にもリスクは付き物であり、コネクト型企業についても例外ではありません。コネクト型企業も失敗することはあります。しかし変化を続け不確実なこの時代では、他社より速く学習し適応できるという点がコネクト型企業にとっての強みになります。コネクト型企業になりたいなら、移行をためらう理由はありません。 |
21章 | つながりのリスク |
| コネクト型企業が持つスピードや柔軟性といった特質は、動きの遅い競争相手に対する明確なメリットです。しかしメリットにはリスクも伴います。コネクト型企業が誤りを犯す場合について考えてみましょう。誤りには3 つの種類があり、ポッドレベルでの誤り、プラットフォームレベルでの誤り、そして目的の誤りへと分類できます。 |
22章 | コネクト化への旅の始まり |
| コネクト型企業は、今はまだ主流ではなく例外的な存在です。しかし変化と不確実性の時代では、コネクト型企業が有利です。コネクト型企業になるための旅の手始めとして、今すぐできることが4つあります。それは有機的成長、トップダウン型でリーダー主導の変革、試験的ポッド、そしてネットワークの構築です。週明け早々にも、第一歩を踏み出しましょう。 |
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| 参考文献 |
| 議論を深めるための問い |
| 索引 |
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| 巻末特別付録 |
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